Music Review : S

SABU / SABU 【80点】

SAVANNAH / SAVANNAH 【76点】

アメリカ出身で、後にメンバーがSLYBOYSを結成。オーセンティックなハードロックで、洗練度の高い楽曲に、ピアノや流麗なギターワークでバッチリ彩りを添えるセンスはなかなかレベルが高い。しかし、そういった魅力を消してしまうヴォーカルの貧弱さは致命的。歌メロも今ひとつでどうも心に響いてこない。こういうのってイントロでグッと掴まれるだけに歌が始まったときのショックが大きくてダメージ倍増。(H)

SAVATAGE / GUTTER BALLET 【82点】

SAVATAGE / STREETS A ROCK OPERA 【81点】

SCAR SYMMETRY / SYMMETRIC IN DESIGN 【88点】

SOILWORK系エクストリーム・メロディック・デスメタルバンドのデビュー作。クリスチャン・アルヴェスタム(Vo)ほかラインナップはこれまでに数々のバンドで実績と経験を積んだ強者揃いらしい。デスとノーマルを使い分ける所謂新世代のフューチャリスティック&エクストリームなメタルだが、とことんキャッチーなデスメタルであり、メロディアスなギターソロやシンセを隅々まで染み込ませた緻密な音づくりが魅力。それにしてもクリスチャン・アルヴェスタムのヴォーカルの多彩さは圧倒的。地響きのようなグロウルから迫力満点のスクリームを発していると思いきや、クリーンパートでは同一人物とは思えないくらいマイルドな声を聴かせてくれる。#1「Chaosweaver」は悶絶必至の名曲。全体的には似通った曲が多いのでダレてしまうのが惜しいところだが、SOILWORK以上の支持を集めるポテンシャルを感じさせるぐらい今後が楽しみなバンドだ。(H)

SCAR SYMMETRY / PITCH BLACK PROGRESS 【79点】

SOILWORK系の未来志向エクストリームメタル路線で十分なインパクトを残したSCAR SYMMETRYの2ndアルバム。よりアグレッシブさが増した印象で、自らの音楽性をさらに強固なものにしている。ただ、キラーチューンがないのと、平均的な楽曲&曲ごとのメリハリが希薄なせいか、聴き終えたあとにイマイチ印象に残らないのが残念だ。もうちょっとフックのあるメロディがあればよかったのにな。(H)

SCORPIONS / BLACKOUT 【83点】

SCORPIONS / SAVAGE AMUSEMENT 【85点】

SCORPIONS / FACE THE HEAT 【82点】

SCORPIONS / PURE INSTINCT 【86点】

SCORPIONS / UNBRRAKABLE 【75点】

ドイツの重鎮ハードロックバンド、SCORPIONSの通算14枚目のアルバム。昔のサウンドは望むべくもないが、(特に前半では)HRの醍醐味を味わえるアルバムには仕上がっている。個人的にそれほど興味のあるバンドではないので特に強く求めるものというのもないのだが、「PURE INSTINCT」あたりのメロディの感触だったらラッキーかなぁと思って聴いたけれど自分の考えていたものに比べると物足りなさが後味として残った。ギターの仕事ぶりもイマイチかな。クラウス・マイネは見た目かなり老け込んでるけど、それとは裏腹に相変わらずの哀愁ヴォイスは素晴らしい。(H)

SCORPIONS / HUMANITY - HOUR I 【89点】

SENTENCED / AMOK 【84点】

フィンランド産メロディック・デスメタルバンドの3rd。メランコリックな泣きをふんだんにフィーチュア。スピード感溢れる劇的な疾走曲#1「The War Ain't Over! 」をはじめ、リードギターの泣きを全編に巧みにもりこんでいる。もう少し音の輪郭をくっきりさせると、コントラストがついてより良いと思うのだが。(H)

SENTENCED / LOVE AND DEATH 【81点】

SENTENCED / DOWN 【84点】

SENTENCED / FROZEN 【86点】

5th。前作「DOWN」ではヴォーカルのタネリ・ヤルヴァが脱退し、新たにヴィール・レイヒアラが加入、デス声からノーマル声に変わったことで、脱メロディック・デスはどんどん進行し、このアルバムでのメロデス臭は皆無。また本作から専任ベーシストが加入している。そのヴィール・レイヒアラの歌うメロディラインは起伏がはっきりしていて個性も強く、全体のメランコリック度を増幅させ、よりSENTENCDの持つドラマティックな部分を押し上げている。叙情的で哀しい。(H)

SENTENCED / CRIMSON 【84点/88点】

「DOWN」以降では「脱メロデス」を果たした彼らであったが、初期からのファンには受け入れられなかったという苦渋をなめている。しかし、僕はこの冷たく暗く、そして鬱とした世界観がたまらなく心地よく聞こえる。#5「Broken」や#7「Dead Moon Rising」では独特の冷たく暗い音楽の中に、輝きを放っているようなメロディを取り入れることで彼らの世界にどっぷりと嵌まり込んでしまう。また#6(#12)「Killing Me Killing You」ではイントロのピアノと、曲中のギターのリフの対比が悲しくも美しい叙情性を前面に押し出しているあたりは圧巻といえる。この「CRIMSON」では、彼らの音楽観が生み出した表現力が、本作の完成度をとてつもない域にまで高めている。ヴィレの歌声と叙情的で煽情力をもつメロディーが彼らの武器であることは間違いなく、彼らの音楽性の変更が間違っていないという証明になるだろう。(K)

SENTENCED / THE COLD WHITE LIGHT 【87点/94点】

フィンランドのゴシックHMバンド、SENTENCEDの7thアルバム。北欧の極寒地を瞬時に想像させる冷たいサウンドとヴィレ・レイヒアラのくどくまとわりつく節回しから生じる嗚咽のメロディラインは本作でもより磨きがかかっている。アルバム全体としてのダイナミクスのつけかたも見事だ。Aメロ・ブリッジのメロディがパターン化しすぎて変化に乏しいところも相変わらずだが、#2「Cross My Heart And Hope To Die」を筆頭に#4「Neverlasting」、#5「Aika Multaa Muistot [Everything Is Nothing]」、#7「Blood And Tear」、#8「You Are The One」など、叙情的で劇的なフックを持つコーラスの魅力はいつもより増している。アルバム中最もダークな歌詞だという#2の終盤を飾るギターソロの激情泣き泣き度は半端じゃない。これほど絶望的なメロディが存在していいのかと問うてみたくなる。(H)

傑作「CRIMSON」から2年の時を経てリリースされた7th。「CRIMSON」はメランコリックHR/HMの傑作だったが、本作ではそれ以上に、絶望に近い荒涼とした陰鬱感が満ち溢れ、その鬱性が美しすぎるほどの煽情力を増した素晴らしいアルバムである。それはまるで氷の張った海の中から氷を通して差し込んでくる太陽の蒼い光の色にも似ている。そんな音色が、心の奥にある琴線のさらに奥深くにある剥き出しの心を、冷たい手で優しく撫でるような感じなのだが、それが安らぎと思えてくるほど心地がよい。本作もまぎれもない傑作であり、#11「No One There」の終わりから#1「Konevitsan Kirkonkellot」のイントロにつながるさまは、まるで消えることの無い「人の業」のようであり、それを歌い上げている彼らは、さらなる深化をしていくに違いないだろう。(K)

SENTENCED / THE FUNERAL ALBUM 【82点】

「絶望のゴシックメタル」として多くのフォロワーを産み、多くのファンに支持されたセンテンストが解散を表明し最期のアルバムとしてリリースした作品には「葬儀」と名付けられた。まったくもって彼ららしいが、内容は絶望的に暗いサウンドとおもいきやノーザン・メンランコリック・メタル中心のノリがたっぷり入ったアルバムに仕上がっており、本当にこれで最期なのか?と思わせるテンションだ。マンネリ化されたメロディがどうしても気になってしまい、個人的には不満スレスレのところで接してしまう部分もあるが、初期のデスメタルを思わせるインストを入れたりと、自分たちの軌跡をたどる集大成的な姿勢が色濃く現れているとすればそれもまた良し。ラストを飾る「End of the Road」のソロの絶望度はリアルすぎて本当に恐ろしくなってしまう。素晴らしいバンドがまたひとつ消えていく寂しさをかみしめながら、このソロを堪能している。(H)

SEVEN AND THE SUN / BACK TO THE INNOCENCE 【90点】

ニュージャージー出身のアメリカン・モダンロックの新星、SEVEN AND THE SUNのデビューアルバム。ピュアでストレートで躍動感のあるサウンドと、程良く潤ったメロディが心地よい空間を作り出す、新人にして既に貫禄すら漂う名盤だ。音楽を聴いていてこれだけ爽快な気持ちにさせてくれるのは本当に久々。なんといっても粒揃いの楽曲群が強力で、#1「Jump(The Velvet Rope)」、#2「Where Do You Go From Here」、#3「Walk With Me」、#4「Black & Blue」と立て続けにキャッチーなメロディでたたみかけたかと思うと、じんわり盛り上げる感動的なバラード#5「I Pray」で一気に涙腺を刺激する心憎い流れ。終盤も決してだれることなくソングライティングの質の高さをみせつけ、終盤の大らかなスロー・チューン#10「I Won't Look Back」ですっかり腰砕けに。このバンドの核であろうヴォーカリスト・SEVENの声は、素直な歌唱で伸びが素晴らしく、表現力も豊かな万能タイプ。LIFEHOUSEやTHE CALLING同様、底なしのポテンシャルを感じた一枚。大きな思い入れを持って今後も接すること確実。(H)

SEVENDUST / ARIMOSITY 【85点】

SHAKRA / RISING 【88点】

スイスのメロディアス・ハードロックバンド、SHAKRAの通算4枚目のアルバム。GOTTHARDに通じる、欧州バンドでありながらも適度にアメリカナイズドされたからっと抜けのよいサウンドは非常に心地よい気分にさせてくれる。無論軽さは全くなく、むしろ十分ハードで硬質な音なので、ハードロックの理想像を表現しているバンドといってもいいのではないだろうか。いずれの曲も起承転結がはっきりしており、うまく練られたフックのあるメロディでグイグイと耳を奪ってくれる。ここ日本での知名度はほとんどないが、個人的にはGOTTHARDを脅かす存在としてもっと注目されて然るべきバンドではないかと思う。(H)

SEX MACHINEGUNS / SEX MACHINEGUN 【93点】

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メジャーデビューアルバム。典型的なヘヴィメタルの名盤。ルーツがはっきりしていて元ネタがバレバレのものもあるが、それこそHR/HMファンの琴線を刺激しまくる様式美に溢れている。オープニングのタイトル曲「Sex Machinegun」でのマシンガンリフは、これまで聴いてきた数々のHMチューンの中でも随一のかっこよさ。驚愕のコーラスの歌詞も含めて鳥肌ものの1曲。哀愁漂う#2「Japan」、「さ!そ!り!」とデスっぽいコーラスがハマリの#3「Scorpion Death Rock」、イングヴェイっぽい北欧メタルな#4「Devil Wing」、マシンガンズらしいコーラスでライブでは欠かせないであろう#5「桜島」、イントロから美しいギターソロで聴かせる#7「ファミレス・ボンバー」、犬の視点で作った哀愁たっぷりなメロディとコーラスで犬に同化できる#8「犬の生活」、典型的なHMの醍醐味で終盤を締めくくる名曲#9「HANABI-La大回転」、#10「Burn」と、隙のない充実した楽曲に確かな演奏力、そしてハメを外す歌詞のセンスと、SEX MACHINEGUNSというバンドのキャラクターとアイデンティティを強烈に形成している。(H)

SEX MACHINEGUNS / BURN〜愛の炎を燃やせ 【88点】

SEX MACHINEGUNS / みかんのうた 【86点】

「みかんのうた」はライブ音源。その圧倒的なパフォーマンスと演奏力の高さは超一流だ。軽快なビートで「愛媛のみかんは〜」とユニークな歌詞ですすんでいき、コーラスの「みかん みかん みかん!」は気持ち悪いくらいにその流れにハマッている。これぞマシンガンズのマジックなのであろう。ライブで体感したら興奮インジゲータが最高潮。カップリングの「Illusion City」はシティハンターSPの主題歌だそうだ。シティハンターのイメージにぴったりなスピーディな曲。様式美ギターが全編にわたってフィーチュアされており、HR/HMファンは文句なしに気に入るだろう。(H)

SEX MACHINEGUNS / 大漁 【87点】

SEX MACHINEGUNS / MADE IN JAPAN 【83点】

SEX MACHINEGUNS / Barbe-Q マイケル 【89点】

3rd。おかしな歌詞をまっとうなHMに乗せるスタイルにはますます拍車がかかる。中でも#2「みどりのおばちゃん」は全編に渡るメロディアスなリードギター、高域部を華麗に歌うハイトーンヴォイス、ブリッジからサビへかけてドラマティックに流れるメロディのフックと歌詞、全てが失禁を誘う普遍的HMのオイシイとこどりの名曲。これ1曲で買いです。ヘヴィでノリノリな#1「S.H.R.〜セクシー・ヒーロー・レボリューション」、#10「食べたいなめたい危険地帯」、デス声をフィーチュアした文字通りのデスチューン#5「Death」、自らも「これはメタリカ」というように、メタリカの名曲「Battery」ライクな#8「とうちゃん」、スピーディーな#4「パンチDe Love Attack」、#11「Fire」等々インパクト満点の傑作。(H)

SEX MACHINEGUNS / そこにあなたが... 【90点】

「そこにあなたが...」は絶唱系パワーバラードで、慟哭のリードギターで始まるイントロ、感情の全てを剥きだしにしたヴォーカル、途中から一転して激しくなる鋭いリフとデス系バックコーラス、そしてWHITESNAKEの「Still of The Night」ばりのダイナミックな展開から一気に壮絶なるエンディングに駆け抜ける雄叫びとギターソロ...。どれをとっても身震いするほどの「メタル然」とした構築美にただただひれふすのみ。メインストリームをいくコテコテの展開だが、その予定調和の美しさは筆舌に尽くしがたいものがある。本当に素晴らしい曲だ。(H)

SEX MACHINEGUNS / 暴走ロック/ただいま 【88点】

SEX MACHINEGUNS / IGNITION 【87点】

ノリノリの#1「暴走ロック」で始まるマシンガンズの5thアルバムは相変わらずのハイテンションなマシンガンズワールドを否応にも期待させる。#2「頬白鮫の悲劇」、#3「圏外なわたし」とお得意のメロディック・スピードメタルで畳みかけ、極上の名バラード#4「そこに、あなたが…」で一気に落とす展開には涙が溢れんばかりのドラマティシズムを感じるのだが、ミドルテンポの楽曲が多い中盤以降、ちょっと冷めていく落差が全体の印象を薄めてしまった。スピードメタルな楽曲がアルバムを重ねるごとに減ってしまっているのが少し残念。サザエさんをモチーフにした#8「日曜日」といった、彼らならではのギャグナンバーは相変わらず冴えているが。それでもラストを飾る「世直しGOOD VIBRATION」は王道を突っ走った名曲で盛り返した。(H)

SEX MACHINEGUNS / SM SHOW3(DVD) 【84点】

SEX MACHINEGUNS / マシンガンズの集い ザ・ベスト 【86点】

SEX MACHINEGUNS / TO THE FUTURE TRACKS 〜未発表曲の集い〜 【79点】

惜しまれつつ解散したSEX MACHINEGUNSの未発表音源集。歴代メンバー全員の演奏を収録している。タイトル「To The Future Tracks」がなんとも意味深だが、Anchang(Vo,G)は「SEX MACHINEGUN」名義でソロ活動するみたいだし、そのうちまた復活することも充分あるんだろうなぁと期待は膨らむ。#1「仮面夫婦」が素晴らしい。(H)

SEX MACHINEGUNS / LIVE! FINAL ATTACK AT BUDOKAN 【89点】

SEX MACHINEGUNS / SM SHOW FINAL(DVD) 【93点】

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武道館での解散ライブを記録したDVD。2枚組全24曲。最後のライブという特別な空気の中、常に尋常じゃない熱気がさらにヒートアップして、会場全体がまさに燃えているかのような熱すぎる内容。個人的にマシンガンズの中で好きな曲ベスト5でもある「みどりのおばちゃん」、「そこにあなたが...」、「Sex Machinegun」、「みかんのうた」、「BURN〜愛の炎を燃やせ〜」が全て網羅されているのが嬉しい。ライブ直前のバックステージでの緊張感、オープニングでの美しいツインギターからはじまる熱狂渦巻く多くの名曲のパフォーマンス、そしてラストを飾る「Sex Machinegun」のあとの各メンバーの泣けるメッセージ…。映像でこんな感動するんだから、この場にいたらなぁと悔しさすらこみ上げてくる。いやしかし、その感動と興奮を喚起するすっごくクリアな映像と音、巧みなカメラワークもこの手の作品としては超一級品だ。それにしても、これだけの長時間でハイテンションなライブでありながら、Anchang(Vo,G)の超人的なシャウトが全くパワーダウンしないところや、一糸乱れぬバンドのリズミカルな一体感も筆舌に尽くしがたい。ヘヴィメタルって素晴らしい!と思わせる最高のバンドだと思います。(H)

SEX MACHINEGUNS / 鋼鉄箱(メタルバコ) (DVD) 【88点】

既出ライブ映像「SM Show」、「SM Show 2」、商品化されていなかった「初だし映像、宝」、 「HELLthy Set-M+緊急野ざらし」、これまでの全てのPVを収録した「スペシャルヴィデオSEX」の5枚のDVDに加え、エンディングテーマ4曲が入ったCD「オリジナルサウンドトラック」までついている、全66曲入りの豪華生産限定BOX。燃えたぎるライブの興奮が味わえるのはもちろん、振り付け特訓やメンバーのコメントなども充実していて、マシンガンズをもっと知りたい人にはうってつけのアイテム。PVにはやたらタイツ姿が登場するが、タイツ好きだったのね…。(H)

SEX MACHINEGUN / 語れ!涙! 【94点】

解散したSEX MACHINEGUNSのリーダーANCHANG(Vo, G)のソロ活動名義はSEX MACHINEGUN(単数形)で本作がファーストシングル。フジ系アニメ「こち亀」のエンディングテーマ&「こち亀 THE MOVIE」のテーマソングとしてタイアップされている。男の哀愁をジャーマンメタル顔負けの強烈なクサメロで歌い上げたまさにアンセム的な1曲で、個人的に近年稀にみる「秒殺ノックアウト」状態。その興奮醒めやらぬままザ☆メンテナンスのライブのアンコールで体験したもんだから愛着も倍増。歴代マシンガンズの超名曲群に間違いなく仲間入り。完璧。(H)

SEX MACHINEGUN / THE MAINTENANCE 【88点】

個人的2003年のNo.1チューンに選出したばかりか、間違いなく人生のベスト10には食い込んでくる哀メロ爆発悶絶必至の超名曲「語れ!涙!」収録のSEX MACHINEGUN名義でのANCHANGファーストソロアルバム。この曲はもともとバンド用に書かれたものなので、本アルバムの方向性を見ると異色な存在である。故にラストにもってきた曲順には納得。アルバムはモダンでヘヴィな「笑ってんじゃねぇ」を筆頭に、マシンガンズの4th「IGNITION」路線に近い感じ。練りに練られたメロディと歌詞、アレンジにはANCHANGの強いこだわりが感じられる。特に熱くてお馬鹿なヘヴィチューン#2「爆乳ダイナマイト」、お得意の言葉遊びにアコースティックギターを絡めた小気味よいテンポから一気にノリノリコーラスに突入する#3「高年齢化社会」、真面目な歌詞と哀愁漂うクサい曲#4「WIND」、力強く愚痴る歌詞が笑える#5「チャーシューメン」あたりの流れは圧巻。その後もマシンガンズ時代を彷彿させるスピーディーな#7「豆板醤」、#9「大逆転」や、力み系バラード#8「FLAYAWAY」などバラエティに富む。終盤に若干弱さを感じるが、ANCHANGにしかできない独特の世界が堪能できる。聴きこんだ後にもう一度ライブを体感したい。(H)

SEX MACHINEGUNS / 出前道一直線 【90点】

第4期SEX MACHINEGUNS第1弾シングルは「届けます、あなたの心に、ヘヴィメタル」の帯タタキと「さりげなく技巧派」のキャッチフレーズがまさにぴったりなスピード感とキャッチーなメロディとテクニカルな各パートのプレイに彩られた正真正銘のヘヴィメタル・チューン。イントロから悶絶のツインリードで驀進し、SYPANと新加入KENJIRAWのダイナミック且つ確実なボトムは屈強だ。歌詞にももちろん彼らならではのユーモアと哀愁が込められている。#2「Hold On To The Fire」は80年代テイストをふんだんに盛り込んだ王道のHMチューン、#3「Bargain Sale」はSYPAN作のリズムがライブ向きの曲だ。いずれもHMの醍醐味を存分に伝え、原点回帰を感じさせる内容。総てのファンが新しいマシンガンズの門出を熱い拍手で迎えること間違いなしだ。フルアルバムに期待が高まる!(H)

SEX MACHINEGUNS / サスペンス劇場/イルカに乗って 【88点】

第4期マシンガンズ第2弾シングルは火曜サスペンスについて歌った曲。バンド自身初のストリングスを使うという試み。緊張感たっぷりのピッキングで進行するドラマティックなメロディをもった素晴らしい曲だ。聞き所はANCHANGのハイトーンヴォイス。終始高音のキーを駆使して歌いあげる男っぷりがすごい。ギターソロもツボついたメロディでイチコロです。#2「イルカに乗って」は80年代のLAメタルを想起させるパーティ・ロック。TWISTED SISTERの「We're Not Gonna Take It」に似ている。(H)

SEX MACHINEGUNS / HEAVY METAL THUNDER 【93点】

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今ではすっかりコアなファン気取りだが、実はバンドとして新作をリアルタイムで購入するのは実は初めて(ソロ除く)。「IGNITION」のときはリリース後半年ぐらいたって気づいたりと、要するに自分がマシンガーと自負したのは解散後だったわけ。あっという間の復活劇、そして正統派HMでリスタートするという宣言とともにリリースした復帰第一弾アルバムの冠は「HEAVY METAL THUNDER」。既にライブで体験済みだったタイトル曲はまさにHMの新たなアンセムとして燦然と輝く名曲だ。シングルとして出ていたストリングスを取り入れたドラマティックな#5「サスペンス劇場」、スピード感たっぷりの伝統的メロディックHM#9「出前道一直線」といった王道HMチューンが主要ポイントを固める曲構成は屈強で、メンバーの強い魂を感じる気合い十分の内容に仕上がっている。ジャーマンメタル調の#2「伝説のキャッチボール」、「ONIGUNSOW」を超えるバンド史上最速という#3「焼き肉パーティー」あたりまでの力強さにはぐぅの音も出ないほどだ。ライブ受けしそうな#6「パンダちゃん」、#7「踏み台昇降運動」などもこれまでのマシンガンズの魅力をまとめあげた、間違いなくファンを魅了する仕上がり。ラストを飾る「4」はモダンな味付けで異色な存在だが、シリアス・メランコリック・ヘヴィな雰囲気は非常に好き。ワールドクラスのテクニックとライブパフォーマンスで、是非世界相手に暴れまくってほしいものである。(H)

SEX MACHINEGUNS / MADE IN USA 【87点】

第4期2作目、通算6枚目のアルバムは、バンド初の海外レコーディングにチャレンジした意欲作。レコーディング地はアメリカ・ナッシュビルということで、その時点で前作の欧州HMに力点を置いた作品とはちょっと違う作品になるかもと想像していたが、予想通りアメリカンロックを基本路線においた乾いた作品に仕上がっている。そのまんまメタリカな「Junk Food」はじめ、モトリー風、メガデス風、ファイヤーハウス風、KISS風など、出自がすぐ脳裏に浮かぶタイプのものは多い。また「Samurai No7」などはSUM41的な最近のバンドの雰囲気が漂っている。典型的なHM要素の強い「Zero」、マシンガンズお得意の歌詞と展開美を持つ「Mama San Volley」あたりは非常にインパクトがあり、玄人受けしそうな「限りなき抵抗」もいい感じ。
好みからすると今回はややストライクゾーンから外れ気味といった感じで正直前作のようにのめり込んで聞くとこまではいかなかった。音楽的な完成度はもちろん高いが、ちょっと地味な印象は拭えないかな。

SEX MACHINEGUNS / MADE IN AMERICA [DVD] 【85点】

ドキュメントDVD。マシンガンズがアルバム「MADE IN USA」をアメリカでレコーディング…きっと外国人とワイワイやりながら、楽しくハイテンションでやったんだろうななんて勝手に思っていたが、実際は無茶苦茶シリアスで張りつめた緊張感の中で行っていた。見ているこちらの胃が痛くなりそうなぐらいに。そこにあるのは忍耐、焦り、葛藤、すれ違い、そして妥協を許さない姿勢。ライブであれだけ素晴らしい一体感を生み出すマシンガンズも、ほころびがでたり目的意識の違いがあったりで悩んでいる。ANCHANGはそれを隠しもせず、時に嫌われ役に徹してでもメンバーにぶつけていく。音楽的にどんなに天才的な技術を持っていても、それだけではひとつの完成された作品を作り出すのはきわめて難しいのだと感じた。表側の部分で十分、という人は観なくてもよいけど、作り手の葛藤はこうなんだ!という部分においては、マシンガンズが好き嫌いに関わらず観て損はないと思った。結構感動した。

SEX MACHINEGUNS / A DAY IN THE LIVE [DVD] 【88点】

SEX MACHINEGUNSのアメリカでのレコーディング時に行ったナッシュビル・ライブを全て収録したライブDVD。収録曲は「食べたいなめたい危険地帯」、「Heavy Metal Thunder」、「暴走ロック」、「みどりのおばちゃん」、「出前道一直線」、「みかんのうた」、「桜島」、「German Power」。メンバーが必死に英語でMCを披露。おそらくマシンガンズのことを全く知らない会場の観客も曲が進むにつれ次第に盛り上がっていく。パフォーマンス、映像、音質とも申し分なし。ファン必携。(H)

SEX MACHINEGUNS / キャメロン 【82点】

SHEELA / BURNED DOWN 【79点】

SHINEDOWN / LEAVE A WHISPER 【84点】

SHOW BLAZE / HALLUCINATION 【85点】

SHYBOY / SHYBOY 【82点】

SIC VIKKI / SIC VIKKI 【77点】

SINERGY / BEWARE THE HEAVENS 【81点】

IN FLAMESのイエスパー・ストロムブラードとCHILDREN OF BODOMのアレキシ・ライホ、この北欧メロデスシーンを引っ張る二人に女性ヴォカール、キンバリー・ゴスが絡むプロジェクト。このキンバリーの声はなかなか力強く、バックの演奏に決して負けていない存在感がある(見た目の存在感は二人を軽く凌ぐ)。インストのメロディは美しいが、歌メロのセンスはもうひとつかな。(H)

SINERGY / TO HELL AND BACK 【78点】

#2「Midnight Madness」はHMの名曲だが、全体的には(これは前作も感じたが)余った曲の寄せ集めみたいな印象が強い。CHILDREN OF BODOMのようにグッとくる場面は、イントロやソロなどのインストパートに多々あれど、だいたいが歌メロでつぶされていく。キンバリー・ゴスもいろいろがんばってバリエーションに富んだ唱法を披露しているものの、奇をてらいすぎというか、どれも焦点がぼやけてピンとこない。キンバリーにはもっと自分の得意な伸びのある部分で勝負して欲しい。総じて質は高いとは思うのに、惜しい!(H)

SINERGY / SUICIDE BY MY SIDE 【83点/87点】

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前作「TO HELL AND BACK」は唱法や楽曲に変化がありすぎて、拡散したイメージがマイナスに作用して本来の魅力を失ったように見えた。本作は「ヘヴィメタル」の芯の部分にピントを合わせた鋼のごとく硬質な作品に仕上がっている。女帝キンバリー・ゴスのヴォーカルは今までと比べものにならないくらいパワフルさを増し、フロントマンとしてだけでなく、メタル・ヴォーカリストとしてのステータスを更に向上させたといえるだろう。また、アレキシ・ライホとローペ・ラトヴィアのツインリードの白熱したプレイも凄まじい。今までアレキシばかり目立っていたが、もう一人のギタリスト、ローペは要チェック。前作の名曲「Midnight Madness」のPVでは目を疑わんばかりの壮絶ソロに驚ろかされた。本作でもテクニシャンぶりを惜しげもなく披露している。パワフルなヴォーカルに劇的な展開、切り裂くような鋭いリフとギターソロはヘヴィメタルの醍醐味堪能で手放しで賞賛。あとは歌メロにもうちょっとフックと抑揚がつけば...。(H)

女帝キンバリーのご帰還。パワフルさを増した彼女の歌声は、両脇のアレキシ、ローペという超絶技巧派のギタリストが奏でる北欧特有の透明感、そしてスピード感溢れるメロディーとこのうえないハマリ具合を聴かせてくれる。#5「Written In Stone」では、パワフルさとはまた打って変り、まるで語りかけるかのような優しくそして、しっとりとした歌声を披露してくれる。このバラードを聴いていると、北欧の湖畔で、風に湖面が揺れている様を見ているような錯覚に陥るほど。要所にバラードを配置することで、より疾走感のある曲が映えて聞こえてくる。今作を過去最高と言っても、決して過言ではないだろう。(K)

SINNER / NO MORE ALIBIS 【66点】

SKID ROW / SKID ROW 【83点】

SKID ROW / SLAVE TO THE GROUND 【85点】

SKID ROW / SUBHUMAN RACE 【80点】

SKID ROW / BEST 【84点】

SKIN / LUCKY 【80点】

SKINTRADE / SKINTRADE 【75点】

SLAGHTER / WILD LIFE 【79点】

SLEEZ BEEZ / POWERTOOL 【70点】

SLIPKNOT / IOWA 【80点】

SLY BOYS / GOOD TIME MUSIC 【83点】

SNAKES IN PARADISE / GARDEN OF EDEN 【87点】

スティーブ・オーバーランド(FM)、ロブ・ラモス(RIVERDOGS)、時にエリック・マーティンを思わせる懐の深い激渋ヴォーカル(ヴィジュアルもよい)と煮えきらないメロディ、的確で流麗なギターソロと、とても北欧のバンドとは思えないほど英国的な薫りがする。DARE、LIONSHEART、FM、JOHN WETTONらと並ぶオトナのハードロックだ。楽曲ごとにムラがないのでアルバム全体に安心感がある。WHITESNAKEっぽい前半#3#4や哀愁にアメリカテイストもちょっと加わったポップな#6〜#9がとてもいい感じ。新鮮味はないしアルバムをリードするような名曲は存在しないが、こういうのはみんなに愛されるアルバムだと思う。(H)

SOILWORK / THE CHAINHEART MACHINE 【81点】

「Studio Fredman」+フレドリック・ノルドストロム作品。デス/スラッシュを根幹に、泣きのツインリードを織り交ぜたスタイルはすぐさまARCH ENEMYを想起させる。曲展開はわりと単調で、窒息しそうなぐらいの勢いとブルータリティで疾走するが、局地的に押し寄せる泣き泣きギターフレージングが非常に効果的。ただ、オープニングの「The Chainheart Machine」以外は、曲作りに整合性が欠けていて、印象に残る曲がないのが残念。(H)

SOILWORK / A PREDETOR'S PORTRAIT 【84点】

SOILWORK / NATURAL BORN CHAOS 【90点】

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前作から大胆なノーマル声パートを導入し、すっかりそれを自らの武器として使いこなすようになった本作の完成度の高さには目を見張るものがある。初期のSOILWORKは一本調子のデス・ヴォーカルがあまりに平坦で持続性を持って聴くことができなかったが、魅力的なメロウなメロディに加え、コンポーズ能力も格段に向上て手抜き感は皆無、パターン化された楽曲の中にもそれぞれ新鮮なパワーが注ぎ込まれ、全体的な統一感にも彩りを添える形となった。さらにその楽曲の良さを後押ししているのはデヴィン・タウンゼンドの作り出す細部までとことんこだわった濃密な音像世界。幾重にもオーバー・ダブをしたというコーラスパートや、厚みのあるサウンドはまさに近未来の香りを漂わせている。前作のツアーから参加したという元EMBRACEDのキーボード奏者、スヴェン・カールソンの加入も大きい。デヴィンやスヴェンという新しいパワーもさることながら、何よりも純粋に良い曲を書けるようになったことが彼らの未来に向けて輝かしい光を放っている。(H)

常に進化しつづけているSOILWORKの新作。前作で普通声を取り入れ新しい境地を切り開き、輝かしい評価を受けた彼ら。本作ではフレデリック・ノルドストロームと鬼才デヴィン・タウンゼントをプロデュサーに迎えている。朝は8時から午前3時までという気が狂いそうな制作日程の中で作り出された本作は、過去最高傑作と言っても過言ではない。デヴィンの起用によりヴォーカル・メロディーに多彩さを増し、メロウとスピードがうまく交錯しあっている。全体的にキャッチーさは増し、叙情性がかけることなく自分達の世界を保っている所はさすがである。これだけオーバータブを施した本作に近い形でライブができれば彼らのブレイクは近いだろう。(K)

SOILWORK / FIGURE NUMBER FIVE 【87点】

前作「NATURAL BORN CHAOS」で新境地を切り開き多くのファンを魅了したSOILWORKの5thは前作からわずか1年という短いスパンでリリース。溢れんばかりのアイデアと勢いに満ちた今最もノっているバンドの一つだろう。デヴィン・タウンゼントが関わっていないというところで、前作の大きな特徴であった濃密で近未来的なサウンドがどう変化してしまうのかやや不安ではあったが、デヴィンが残していった遺産を確実に自分たちのモノにしており、杞憂に終わったといえる。デビュー当時の獰猛でスラッシーな面影はほとんど姿を消してはいるが、硬質なアグレッションは随所に聴かれるし、それと対比するメロディ満載のヴォーカルラインとのコントラストがよりいっそう強調されていて、SOILWORKとしてのスタイルを完全に確立したとの印象が強い。ただ、自分たちの表現できるバリエーションが増えたとはいえ、前作に比べて明らかに成長したという部分があまり感じられず、やや画一的なメロディラインが既にマンネリ化しているようにも思える。類似路線を行くIN FLAMESの域に達するには、もうちょっとというところだろうか。(H)

SOILWORK / STABBING THE DRAMA 【80点】

エクストリーム・メタルの代表格としていまやIN FLAMESとともにメジャーな佇まいを漂わせるようになったSOILWORK注目の6th。飛躍作である前々作「NATURAL BORN CHAOS」に比べ成長があまり感じられなかった「FIGURE NUMBER FIVE」、その後に続く作品なだけにかなり興味を持って接してみたのだが、正直あまりピンとこない。基本的にはここ2作の流れを汲んだ作風で、複雑なリズムもリフ、エモ風のメロディも全てにおいて完璧なSOILWORK印が刻まれていることは間違いないはずなのに、肝心の楽曲にあまり魅力を感じないのだ。このバンドの作り出す曲作りの方程式が肌に合わなくなったのかな?なんて思ってしまう。そんな中でサビメロがやたらキャッチーな#7「Distance」だけは無茶苦茶気に入りました。(H)

SOILWORK / SWORN TO A GREAT DIVIDE 【82点】

SONIC YOUTH / 100% 【45点】

SOUL ASYLUM / GRAVE DANCERS UNION 【84点】

SOUL DOCTOR / SOUL DOCTOR 【65点】

FAIR WARNINGを脱退したトミー・ハートのニューバンド。それゆえに期待もかなり大きかったんだけど、見事に裏切られたという感じ。いろいろ記事とか見てると本人のやりたいこととか方向性は十分理解できるが、はっきりいって楽曲のレベルが低い。ウレとヘルゲの2人の天才ソングライターと比べることは間違っているだろうが、どうしてもFAIR WARNINGと比較してしまうし、トミーの書いた曲がウレ&ヘルゲにボツにされたのもうなずける。楽曲はストレートなアメリカンロックで、特にフックもあるわけでもなく、悪く言うとBON JOVIのアルバムにある捨て曲の寄せ集めみたいな感じがする。(H)

SOULRELIC / LOVE IS A LIE WE BOTH BELIEVED 【86点】

フィンランドから、またもや高品質なゴシック・メタルバンド登場!とお決まりのキャッチコピーがこのうえなく似合うSOULRELICデビューアルバム。HIM、TO/DIE/FOR、それからNEGATIVEに通じるキャッチーなメロディ、ノリノリなテンポ、哀愁とメランコリックなサウンド…とこの手のバンドに求める全ての要素を軽くクリアした、ゴシックメタルファン必聴の一枚。(H)

SPINESHANK / SELF-DESTRUCTIVE PATTERN 【87点】

4人組インダストリアル系ヘヴィロックバンド、SPINESHANKの3rdアルバム。このジャンルは知識がないので比較対象が難しいのだが、僕のようなメタル畑のリスナーにとっては、「REROUTE TO REMAIN」のIN FLAMESや、SOILWORKといったバンドのパーツを感じさせる。圧力のある重厚で無機質なサウンド、ひたすらエモーショナルでパワフルな歌と叫びを繰り返すヴォーカルは圧巻の一言。密度の濃い楽曲が並び、最後まで捨て曲はなくてアルバムとしての統一感は文句無し。(H)

SPIRITUAL BEGGARS / AD ASTRA 【83点】

BLACK SABBATHがそうだったように、この音楽・このアルバムはハマったら抜けられない麻薬のようなリフとグルーヴの骨組みで成り立っている。そしてそこに乗るマイケル・アモットのメロディアスなギターと70年代的なオルガン、エネルギッシュなヴォーカルとドラムがプラスされることによって新古渾然一体のハードロック然としたエナジーを強烈に発散している。マイケル・アモットの背景に浮かび上がるルーツは多岐に渡っていて、様々な音楽から影響を受けていることがよくわかる。(H)

SR-71 / HERE WE GO AGAIN 【79点】

STAGE DOLLS / BEST 【83点】

STAN BUSH / CAPTURE THE DREAM 【75点】

STARBREAKER / STARBREAKER 【86点】

TNTのトニー・ハーネル、LAST TRIBEのマグナス・カールソンらによるニュー・プロジェクト。北欧メタルのイメージの強いトニー・ハーネルがマグナスの書く正統派ヨーロピアン・メタルの楽曲に乗る構図が非常に新鮮に映る。どの曲もよく練られたメロディックかつテクニカルなHMで、トニーのハイトーン・ヴォーカルは空気に緊張感を与え当たり前のように自分のカラーで彩っている。浮き足立つことなく、強い個性をつぶさずに新しい世界を作り出しているあたり、彼らの力量が確かなものであると実感させられる。#1「Die For You」、#2「Lies」あたりの強烈なサビのフックは一撃で引き込まれる力強さがある。是非このメンバーで活動を続けて欲しいものだ。(H)

STEELHEART / STEELHEART 【80点】

STEELHEART / TANGLED IN REINS 【81点】

STEELHOUSE LANE 【76点】

STIEVE PERRY / GRATEST HITS 【75点】

STEEL DAWN / MIRROR IMAGES 【83点】

STEVE VAI / SEX AND RELIGION 【80点】

THE STORM / THE STORM 【83点】

STRATOVARIUS / DREAMSPACE 【78点】

STRYPER / IN GOD WE TRUST 【83点】

STRYPER / TO HELL WITH THE DEVIL 【80点】

STRYPER / BEST 【85点】

STYX / BEST 【80点】

STUNLEER / ONCE 【82点】

SURVIVOR / VITAL SIGNS 【85点】

SURVIVOR / CAUGHT IN THE GAME 【81点】

SWEDISH EROTICA / SWEDISH EROTICA 【79点】

SWEDISH EROTICA / BLINDMANS JUSTICE 【82点】

SWEET / GIVE US A WINK 【80点】

THE SYGNET / CHILDREN OF THE FUTURE 【79点】

哀愁味をおび、タメの利いた#1「Face In The Mirror」のイントロはかなりぐっときたが、それ以降はB級臭い正統派ヘヴィメタル。典型的なリフとちょっと様式がかった展開、速いギターソロとそつなくこなしているものの、これといって心に残る曲がない。#3「Devil In Disguise」#11「Hero」は水準以上だと思うが。せっかくいいリフやイントロをもってくるのだから、その先をもうちょっと何とかして欲しい。ヴォーカルスタイル、サウンドプロダクションが足を引っ張った感のある惜しいアルバム。(H)

桜塚やっくん / ゲキマジムカツク 【75点】

人気お笑い芸人、桜塚やっくんがSEX MACHINEGUNSのAnchangに楽曲を提供してもらいCDデビュー。#1「ゲキマジムカツク」はAnchangがソロでやりそうなヘヴィなサビ連呼系メタルチューン。桜塚やっくんのおなじみのネタを織り交ぜた曲です。#2「ロングスカート」は「イルカに乗って」系の軽快なギターとキャッチーなメロディが印象的な曲。やっくんはシャウトも歌も素晴らしく上手く、芸達者ぶりを見せつけてますね。ヘヴィメタル似合ってます。(H)