Music Review : 0-9

101 SOUTH / ROLL OF THE DICE 【83点】

21 GUNS / SALUTE 【86点】

THIN LIZZYのアメリカ人ギタリスト、スコット・ゴーハムが結成したバンドで、メンバーも全員アメリカ人。音楽性もTHIN LIZZYとは完全に趣を異にする、ウェットな情感と爽快感溢れるアメリカン・ロックだ。スコットのギターはそれほど目立ってはおらず、歌ものとしての普遍的な魅力を備えた質の高い一枚。音感に軽さもなく、ヴォーカルのトーマス・ラ・ヴェルディのやや掠れたウェットな声質はこのサウンドに大きな生命力を吹き込んでいて、「Marching In Time」、「The Rain」、「Just a Wish」といったロック・バラードの洗練された美しさを表現している。(H)

21 GUNS / NOTHING'S REAL 【74点】

メンバーを北欧人脈に一新し、実に5年振りにリリースされた2ndアルバムは、これが21 GUNSだったっけ!?と耳を疑ってしまうほど明らかに前作と異なった内容。曲も声もギターも全体的にヘヴィかつフラッシーな古典的ハードロックで、前作での爽やかな空気はほぼ皆無。これまでのスコットからすればこのようなスタイルの方が合っているのかもしれないし、ギタリストとしての彼を見るならこっちだろう。ただ、楽曲の質・ヴォーカルのレベルは前作のそれにはるか及ばない。(H)

220 VOLT / EYE TO EYE 【79点】

THE 69 EYES / BLESSED BE 【82点】

北欧ゴシックR&Rバンド。始めてこういう音楽を聴いたが、率直なイメージとしては、「普通声で歌うちょっと疲れたミカエル・スタンネがSENTENCEDに加入してR&Rバンドに転向した...」って感じかな?セクシャリティなギターやヴォーカルには一発で染め上がるフックがあって聴きやすい。#3「The Chair」や#4「Blandon Lee」の叙情メロディは特に秀逸でクセになりそうな魅力がある。ムービー収録もお得感が増して○。(H)

THE 69 EYES / DEVILS 【86点】

GOTH 'N' ROLLの旗手THE 69 EYESの6thアルバム。「Blandon Lee」とか収録してた「BRESSED BE」以来触れていなかったが、ユルキィの妖艶ヴォイスでひたすらメランコリックに歌うヘヴィロックはここにきて最高のパフォーマンスに達したと言える完成度。以前みたいに前半良くて後半尻窄みといった弱点は克服。全体的にトーン低めなんで、見た目に比べるとおとなしく感じるかもしれないし正直なところもっとノリが欲しいと思ったりもするのだが、北欧の冷たさ加減は充満しているし、この唯一無二の官能世界には素直に感服。(H)

91 SUITE / 91 SUITE 【81点】

スペイン出身のメロディック・ロックバンドのデビュー作。地域性を感じさせない普遍的で洗練された音づくりと、そして甘美でクサイメロディを高音域でのびのび歌いきるヴォーカルはTERRA NOVAを思い出させる。いずれも印象的なリフレインを持ち、起承転結のはっきりしたメロディック・ロックの王道中の王道をいく曲ばかりで、そのピュアな姿勢には感服する。特筆すべきは各曲で非常に印象に残るフレーズを連発する2人のギタリストの熱いプレイ。同系統の曲がずっと続く中で、全体的に輪郭がもったりしがちな中、間違いなくこのギターソロがそれぞれの曲に彩りを加えている。(H)