Music Review : J

JADE ANDERSON / DIVEDEEPER 【73点】

YESのジョン・アンダーソンの娘。出だしのフィーリングがドンピシャだったので相当な期待と気合いを入れて聴いてみたのだが…。自分にはちょっと違ったみたいです。(H)

JAMES CHRISTIAN / RUDE AWAKENING 【86点】

元HOUSE OF LOADSのヴォーカリスト、ジェイムズ・クリスチャンのソロ。HOUSE OF LOADSでも披露していたハスキーで情感溢れた歌唱は折り紙付きで、本作でもその美声を生かしたヴォーカル・オリエンテッドな楽曲がズラリと並ぶ名作。アメリカンロックだが、仄かな叙情的なメロディを全編に含んだサウンドは欧州のHRにも通じている。#2「Pleasure And Pain」をはじめ、印象的なサビメロはセンス抜群で、メロディ派リスナーの多くの心をつかむこと受け合い。#14「After All」は後にDAMED NATIONがカバー。(H)

JAMES CHRISTIAN / MEET THE MAN 【80点】

HOUSE OF LORDSを復活させたばかりのジェイムズ・クリスチャンが「RUDE AWAKENING」以来久々のソロアルバムをリリース。正直HOUSE OF LORDSの復活作にはかなり落胆させられたのだが、ソロ作では変に気張らず伸び伸びと等身大のスタイルを貫いており、ほっと一安心。いきなりテクニカルなギターで始まる#1「After The Love Is Gone」からしてメロハーファンを釘付けにすること間違いなし(全編通してギターはかなり活躍)。徐々に盛り上がる感動的なバラード#3「Surrender Your Love」、X JAPANのPATAのアルバムに提供したという#5「End Of Time」、強烈なフックで攻める#10「Circle Of Tears」あたりが印象深い。#4「Meet The Man」みたいな曲は如何とも理解しがたいが…(H)

JEFARSON STARSHIP / POINT ZERO 【79点】

JEFF SCOTT SOTO / PRISM【83点】

数々のバンドを渡り歩き、正統派HMシンガーとして確固たる地位を築いているジェフ・スコット・ソートの「LOVE PARADE」以来となるソロ2作目。ソロアルバムらしく歌を中心に据えたヴォーカル・オリエンテッドな作風に仕上がっており、ハードナンバーからバラードまでジェフの歌の巧さが引き立った味わい深い楽曲が楽しめる。その中でも涙を誘うこと間違いない正統HRチューン#1「Eyes Of Love」はTALISMANの名曲「Humanimal」のダイナミックなリフ要素と、初期TALISMANやTAKARAを想起させる瑞々しい透明感に満ちた名曲だ。メロディの良さもさることながら、ギタリストのハウイー・サイモンの研ぎ澄まされた様式美がこの曲の魅力を増幅させている。グレン・ヒューズとのヴォーカル・バトルが聴ける#5「I Want To Take You Higher」だ。ソウルフルな楽曲には二人の声が非常に映え、火花散る掛け合いに熱い体温が伝わってくる。バラードも#6「Holding On」をはじめアーバンな佳曲が目白押し。(H)

JIM JIDHED / FULL CIRCLE 【84点】

元ALIENの初代ヴォーカリスト、ジム・ジッドヘッドのソロアルバム。北欧らしい透明感とアメリカンAOR寄りの洗練されたメロディ、そしてスティーブ・ペリーのような美しく伸びのある声で聴かせるサウンドが極上のハードポップを生み出している。時に爽やかに、時に憂いに満ちた、まるで美しく輝く宝石のような世界にただただ溺れるばかりだ。特にタイトルトラックでもある#2「Full Circle」は個人的に近年まれにみるハードポップ系の名曲で、洗練度の高い都会的なメロディのフックが堪らなく素晴らしくて大のお気に入り。オープニングを飾る#1「 I Will Never Leave You Now」、ひたすら爽快な#3「Silence Of The Heart」、極上のバラード#9「I'll Be Ready Then」などがオススメだが、全体を通してのクオリティが均一して高いところが◎(H)

JOEY TEMPEST / A PLACE TO CALL HOME 【87点】

EUROPEのヴォーカリスト、ジョーイ・テンペストのバンド解散後初のソロアルバムで、希代のソングライターとしての才能を見せつけた作品。後期EUROPE風の曲もあるが、基本的にはHR/HMとは縁のないカントリー風味のAORサウンド。じんわりと染み込んでくる味わい深いメロディが実に素晴らしい。ストリングスの#12「For My Country」を聴き終えたあとの清々しさったらない。ジョーイのナチュラルな歌い方で肩の力が自然に抜け、リラックスできる。癒し系No1アルバム。(H)

JOHN NORUM / TOTAL CONTROL 【84点】

1987年発表の1stソロ。#2「Love Is Meant To Last Forever」#5「Eternal Flame」#6「Back On The Streets」で元MADISONのヨラン・エドマンが、それ以外はジョン自身がヴォーカルをとっている。ベースはマルセル・ヤコブ。EUROPEがポップな路線に行くなかで、EUROPEではできなかったものを吐き出すかのように派手に弾きまくる北欧メタルの王道を走るサウンドだ。ヨランがヴォーカルの3曲がハイライトで、特に北欧的美旋律で煌びやかな世界へと誘う#2「Love Is Meant To Last Forever」のメロディとギタープレイは素晴らしい。良い曲と駄曲との差が激しいアルバムだが、ジョンの自身満々なプレイはあらゆる呪縛から解放された自由な雰囲気が放たれていて気持ちよい。#11「Wild One」はTHIN LIZZYのカバー。(H)

JOHN NORUM / FACE THE TRUTH 【85点】

ヴォーカルに元DEEP PURPLEの超人・グレン・ヒューズを迎えての2ndアルバム。前作に比べると北欧色が薄れたが、それはグレンの影響も大きいかもしれない。何よりもオープニングを飾る「Face The Truth」は正統派HR/HMの王道中の王道を行く名曲でHR/HMの醍醐味の全てを感じ取ることが出来る。それにしてもグレンの歌は巧い。#3「In Your Eyes」や#7「Time Will Find The Answer」、#10「Still The Night」などで曲の魅力を最大限に引き出す歌唱で、目映い光を放っている。ジョンのギタープレイも相変わらずで、前作に続いてのインスト#9「Endica」は、まさにギターが泣くという言葉が相応しい。まだまだ曲にバラツキがあるが、確実に成長したアルバム。#5「We Will Be Strong」でジョーイ・テンペストがヴォーカルをとっている。#4「Opium Trail」はTHIN LIZZYのカバー。(H)

JOHN NORUM / WORLDS AWAY 【77点】

ヴォーカルにケリー・キーリング、ベースにピーター・バルテス、ドラムにサイモン・ライトを迎えての3rd。全編通してモダン・ヘヴィネス路線で北欧路線からはすっかり決別。音も籠もり気味でスッキリしない感じがなんとなく歯がゆい。救いは#1「Manic Distortion」で、重くスピーディーなHMリフが心地よい名曲。それ以外は...あまり印象が残る曲がないっていうのが正直なところ。個人的にはインストの名曲「Endica」に歌が入るという#10に期待したのだが、マッチしているとは言い難い出来でなおさらマイナスポイント。(H)

JOHN NORUM / SLEPPED INTO TOMRROW 【67点】

ミュージシャンとしては大好きな彼だが、ソロに転向してから北欧路線を歩んだ2枚以降は次第に魅力が褪せてしまった。今回もかなりの期待を寄せてはいたものの、またもや期待はずれ。本作はひとことでいえば「ヘヴィなTNIN LIZZY」。歌い回しがまさにフィル・ライノットで、豪快で弾きまくるギターとの相性はなかなかのもの。雰囲気は確かにBLUE MURDERの1stに近い。しかし、豪快なのはいいがメロディに面白みを欠き、2、3曲聴いたところで嫌悪感が出てくる。前回からそうだったが音質もこもっていて歯切れが悪い。このままでは渋いブルーズロックのジョンと、すっかりカントリー・ロックに走ったジョーイ・テンペストがEUROPEを再結成したところで、大した期待はもてないな…。(H)

JOHN SHRITT / SHAKE 【83点】

JOHN SYKES / PLEASE DON'T LEAVE ME 【80点】

JOHN SYKES / BY REQUEST (boot) 【82点】

後にリリースされるバラードアルバム「LOVELAND」に収録されていた「Don't Say Goodbye」のデモ(?)収録。生々しい声が迫力あって、「LOVELAND」のより100倍好き。(H)

JOHN SYKES / OUT OF MY TREE 【85点】

レコード会社を移籍し、BLUE MURDERからソロ名義に変更してリスタートした第一弾。メンバーはBLUE MURDER時代と同じマルコ・メンドゥーサとトミー・オースティンのトリオ編成。ブルージーなテイストは変わらずだが、よりドライな仕上がりになっている。サイクスらしいハード・チューン#1「Soul Stealer」、そしてグラムロックの名曲、SWEETの「Action」を彷彿させる英国的薫りがぷんぷんする#2「I Don't Wanna Live My Life Like You」の2曲はとにかく強力。その後もストレートなロックチューン#4「Standing at The Crossroads」、BLUE MURDER時代に通じる#6「Black Days」、2ndの名曲「We All Fall Down」第二章ともいえる#8「Do or Die」、情感たっぷりのバラード#9「If You Ever Need Love」と、自分のルーツであるブリティッシュ・ロックを軸に、いままでより裾野を広げたバラエティ豊かな楽曲で固めた意欲作。(H)

JOHN SYKES / MY LIFE 【85点】

JOHN SYKES / RIOT in LA (boot) 【83点】

JOHN SYKES / LOVELAND 【84点】

JOHN SYKES / 20TH CENTURY 【82点】

バラードアルバム「LOVELOND」発表直後にリリースされたロックアルバム。4人のドラマーを使い分け、超短期間で制作された。音楽性はソロ名義でリリースしてきた作品の変化の中で新たな方向性を決定づけるようなサウンド。コンパクトかつグルーブ重視のストレートなアメリカ的ロックで埋め尽くされ、BLUE MURDER時代の面影がすっかりと身を潜めてしまったのは個人的に非常に残念なところ。しかし、ジョンの類い希なるコンポーズ能力が伺える#1「Look In His Eyes」、#2「20th Century Hartache」、そして往年のサウンドを彷彿させる#9「Cautionary Warning」あたりは出色の出来で、特に「Cautionary Warning」の痺れるようなリフとメロディは絶品。また、豪快に弾きまくるギターも聴きどころ。(H)

JOHN SYKES / NUCLEAR COWBOYS 【77点】

全編テクノロジー化された音からは、BLUE MURDER時代のねちっこくてぶっとくて生々しいサウンドからはほど遠いものになってしまった。もともとジョンは音像を厚くしたり、新しいものを取り入れる傾向が強かったが、テクノロジーという「人工的」な味つけがたっぷり出てるこの音にはどうしても違和感がある。ただ、楽曲・サウンドともに失望させられるようなものではないし、実験的なアイデアにも非凡な面白味はある。しかし、過去の幻影を無意識的に追い続ける僕の耳が、その音を拒絶する。(H)

JOHN WETTON / VOICEMAIL 【90点】

JOHN WETTON / ARKANGEL 【79点】

JON BON JOVI / BLAZE OF GROLY 【81点】

JON BON JOVI / MIRACLE 【80点】

JON BON JOVI / DESTINATION ANYWHERE 【87点】

ジョン・ボン・ジョヴィのソロ2作目。BON JOVIというスーパーバンドを離れ、ひたすら「個」の表現に没頭できる状況でつくりだしたこの音楽は、まさにジョンの内面から沸き上がる「アート」というべき世界。適材適所に様々なプロデューサーやミュージシャンを起用したこだわりの一枚である。落ち着いたトーンで、やさしく包み込むようなメロディに溢れた楽曲からはジョンの生々しい息吹が聞こえてきそうだ。#1「Queen Of New Orleans」、#3「Midnight In Chelsea」のモダンな雰囲気、#2「Janie, Don't Take Your Love To Town」のキャッチーなポップソング、ギターとサビのメロディが印象的な#4「Ugly」、新機軸の展開を見せる圧巻の「August 7, 4:15」など、ジョンのアーティストとしての表現力の豊かさ、メロディメーカーとしての才能を改めて感じることができる。ちなみに、本サイトのサブコピー「What's Your Destination?」は、本作タイトル曲#7「Destination Anywhere」の歌詞中から拝借した。(H)

JOURNEY / FRONTIER 【82点】

JOURNEY / BALLADS 【83点】

JOURNEY / TRIAL BY FIRE 【83点】