Music Review : M
MACALPINE / EYES OF THE WORLD 【83点】
MADONNA / EROTICA 【80点】
MAGNUM / ROCK ART 【84点】
MAGNUM / VIGILANTE 【88点】
MAGNUM / WING OF THE STORM 【84点】
MAGNUM / GOODNIGHT IN L.A. 【85点】
MAGNUM / LAST LIVE 【87点】
MAGNUM / BRAND NEW MORNING 【80点】
MANIC EDEN / MANIC EDEN 【80点】
MANIC STREET PREACHERS / MORTORCYCLE EMPTYNESS 【82点】
MANIC STREET PREACHERS / EVERYTHING MUST GO 【80点】
MARK FREE / LONG WAY FROM HOME 【88点】
元KING KOBRAのヴォーカリスト、マーク・フリーのソロアルバム。哀愁たっぷりでキャッチーな佳曲がずらりと並ぶメロディアス・ハードロックの名作。このサウンドにマッチしたマーク・フリーの声が何ともセクシーで、伸びもあり凄味が漂っている。2枚目のライブでもスタジオ録音並の歌唱を披露し、このアルバムで彼の実力を否応なしに知ることが出来る。(H)
MARILLION / BRAVE 【70点】
MASTERPLAN / MASTERPLAN【91点】
HELLOWEENを脱退したローランド・グラポウ(g)とウリ・カッシュ(ds)が、稀代の必殺仕事人シンガー、ヨルン・ランデを迎えて制作したスーパーバンドのデビューアルバム。正統派メロディック・パワーメタルを基本に、何でも器用に歌いこなすヨルンのヴォーカルを最大限に生かしたバラエティ豊かな作品に仕上がっているが、これがまた素晴らしく完成度の高いアルバムだ。ヨルン・ランデの熱い歌唱とヴォーカル・メロの節回しが楽曲の魅力を数倍押し上げており、それがバンドの強い個性となってHELLOWEENとは明確な差別化ができているところが大きな魅力。これまでの輝かしい実績と経験を生かしたソングライター陣の健闘ぶりも光っており、爽快で軽快なオープニングチューン#1「Spirit Never Die」、サビメロが超強力な#2「Kind Hearted Light」、ヨルン・ランデだからこそ活きるヘヴィな#3「Soulburn」、HELLOWEENの名曲「Power」にも通じる王道パワーメタルチューンを、ゲスト参加のマイケル・キスクとの超贅沢デュエットで驚異の化学反応を起こす#4「Heroes」、圧倒的なパワフルヴォイスでねじ伏せるパワーバラード#5「Into The Light」、荘厳でメロディックなミドルチューン#8「Crystal Night」、HELLOWEEN系パワーメタル#10「Sail On」等々、ハイパーな緊張感を保ったまま各自の最高のパフォーマンスを繰り出した内容にはただただ圧巻の一言。今後も是非ともこのメンツで続けてほしい。(H)
MASTERPLAN / AERONAUTICS 【93点】
2年振りの新作となる2ndアルバム。いやー1回ぽっきりのプロジェクトに終わらなくてよかった…。2作目にしてバンドとしての焦点を完全に定めた音づくりがされたとの印象。それほどジャーマン臭くもなく、スピードに頼らずに良質なメロディをミドルテンポ主体の楽曲にのせ、ヨルン・ランデの低音域を生かしたつくりはこのメンツでは最高のベクトルだと思う。前作の名曲(輸入盤のみ)「Enlighten Me」系の#2「Back For My Life」、#4「I'm Not Afraid」みたいな少し抑えた感じのニュアンスはこのバンドならではの醍醐味。「Heroes」にも通じるベタな#3「Wounds」、心地よいスピードに乗った#1「Crimson Rider」、#10「Falling Sparrow」あたりは屈指の名曲。極めつけは10分弱の大作#11「Black In The Burn」。曲展開が無茶苦茶ドラマティックでサビメロも最高だ。アルバム全体では中盤で若干ダレそうになるのが惜しいが、これだけ名曲が詰まった作品に大満足。前作より好きです。この系統のバンドの中でも生理的に一番好み。いろんなバンドで放浪していたヨルン・ランデには是非ここに留まっていてほしい。(H)
MASTERPLAN / MK II 【85点】
MASTERPLAN誕生以来、2作にわたって中心人物としてバンドを支えてきたヨルン・ランデ(Vo)とウリ・カッシュ(Dr)が脱退するという衝撃的な事件が起き、代わりにマイク・ディメオ、マイク・テラーナを加入させての3rdアルバム。個人的にはヨルンとウリのいないMASTERPLANなんて…という失望感はかなり大きく、正直新作にはあまり期待をしていなかったのだが、実際耳にしてみるとそれほど違和感なく溶け込んでいたという面においては、ローランドの功績は大きいのかなと感じた。楽曲のレベルは総じて高く、新生MASTERPLANとしては十分及第点以上だと思うが、このバンドには「ヨルン+ヨーロピアンメタル」という斬新な構図にこそ魅力を感じていただけに、どんなにいい作品でも「普通の欧州バンドの1つ」として接してしまうかもしれない…。それは好みの問題なのでどうしようもないけど、好きなバンドには変わりないので今後の活躍はもちろん期待です。
MASQUARADE / MASQUARADE 【89点】
MASQUARADE / SURFACE OF PAIN 【80点】
MASSIMO DI CATALDO / VERAMENTE 【80点】
ローマ出身の若手人気アーティスト、マッシモ・ディ・カタルド。全曲イタリア語。風貌からしてとても哀愁のあるイメージなのだが、声の質、音楽性とも元EUROPEのジョーイ・テンペストのソロアルバムを想起させる爽やかなカントリー風味のロック/ポップス。カンツォーネ・イタリアーナというべき大衆的な香りが漂うが、もう少し全体的に変化をつけてメリハリが出るとなおよし。(H)
MATCHBOX TWENTY / MORE THAN YOU THINK YOU ARE 【83点】
MEGADETH / COUNTDOWN TO DESTRACTION 【83点】
MEGADETH / YOUTHANASIA 【87点】
MEGADETH / CRIPTIC WRITING 【71点】
MEGADETH / UNITED ABOMINATIONS 【85点】
メタル界の重鎮・MEGADETHの通算11作目。デイヴ・ムステイン(Vo/G)、グレン・ドローヴァー(G)、ジェイムズ・ロメンゾ(B)、ショーン・ドローヴァー(Dr)というラインナップ。一聴してMEGADETHの鋭角な部分がかなり強調されていて、全盛期の雰囲気が充満してると感じた。「Sleepwalker」のアグレッシブな疾走感、「Washington Is Next!」のキャッチーなメロディ、「Never Walk Alone」の中毒性のあるリフといった序盤のバリエーションや、リメイクの「A Tout Le Monde」、後半で顕著な速弾きのかっこよさなど、クールでアイデアがあってテンションの高いMEGADETHが戻ってきていると思う。
MENIKETTI / MENIKETTI 【82点】
Y&Tの魂のギタリスト、デイブ・メニケッティの「ON THE BLUE SIDE」に続くアルバム。今回はバンド形態をとり、前作とは違って全てオリジナルの楽曲だ。昔から変わることないエモーショナルで熱いパッションに満ちたギター・プレイを本作でも全編にわたって堪能できる。ハードロックに力点を置いたサウンドはY&Tを想起させ、#5「I Rememver」はオールドファンが泣いて喜ぶ曲ではないだろうか。また前作の延長線上にある#3「Hard As I Try」のようなねちっこく野太いブルージーな曲もあって、自身のルーツを全て詰め込んだメニケッティの集大成的な仕上がりになっている。強烈な泣き#7「It's Over」は、前作のインストの名曲「Say Goodbye」に勝るとも劣らない心揺さぶる激しいフィーリングを持った曲だ。音楽から魂を感じたいならメニケッティのプレイを是非。(H)
METALLICA / KILL 'EM ALL 【78点】
METALLICA / MASTER OF PUPPETS 【88点】
METALLICA / ONE 【75点】
METALLICA / METALLICA 【83点】
METALLICA / DEATH MAGNETIC 【88点】
MICHAEL BOLTON / SOUL PROVIDER 【83点】
MICHAEL BOLTON / TIME LOVE & TENDERNESS 【88点】
MICHAEL BOLTON / TIMELESS THE CLASSICS 【83点】
MICHAEL BOLTON / THE ONE THING 【80点】
MICHAEL JACKSON / DENGEROUS 【85点】
MIDNIGHT SUN / NEMESIS 【77点】
MIKAEL EARLANDSON / THE ONE 【83点】
MIKAEL EARLANDSON / UNDER THE SUN 【79点】
MIKAEL EARLANDSON / UNFAMILIAR 【77点】
MIKAEL EARLANDSON / THE GIFT【82点】
3rdアルバム「UNFAMILIAR」リリース後様々な諸事情や不運が重なり、実に5年振りにリリースとなった4thフルレンスアルバムは、天才メロディメーカー、ミカエル・アーランドソン健在をアピールした内容だ。美旋律マインドを封入した音色の輝きはこれまでの鬱憤を晴らすかのごとく解き放たれ、まさに水を得た魚のよう。想像以上にROCKしているのがまた嬉しい誤算だ。1st〜2ndあたりの音楽性がミックスされ、否応にも郷愁を誘う。#3「I Love You」、#6「Million Doller Girl」、#11「Love's Got A Hold On Me」は出色の出来。今後もコンスタントな活動を期待したいところ。(H)
MILLENIUM / ANGELFIRE 【85点】
MILLENIUM / HOURGLASS 【87点】
フロリダを拠点とするメロディアスハードロックバンドの2nd。ヴォーカリストのトッド・プラントが脱退し、ノルウェー人の仕事人シンガー、ヨルン・ランデが迎えられている。ラルフ・サントーラの非常に流麗なギターをベースに、圧倒的な表現力をみせつけるヴォーカルのヨルン・ランデの波長は素晴らしくフィット。曲の特徴に合わせて唱法を巧みに変化させ、ポップに、パワフルに、ブルージーに、ムーディにと変幻自在。特にタイトルトラックの名バラード「Hourglass」は、デヴィッド・カヴァデールそっくりで聞き分けできないぐらい似ている。他の曲ではまったくカヴァデール風ではないのにホントに同一人物?と疑ってしまうぐらい。とにかく、この声もいい曲によって生かされているので、バンドとしての整合感も良い。ゲストにドン・エイリーも参加している。(H)
MISHA CALVIN / EVOLUTION 【79点】
THE MOB / THE MOB 【80点】
元WINGER〜WHITESNAKEのギタリスト、レブ・ビーチ率いるニューバンド。Drにケリー・ケイギー(NIGHT RANGER)、Voにダグ・ピニック(KING'S X)、Keyにティモシー・ドゥルーリー(WHITESNAKE、ex-EAGLES)そしてプロデューサー&ベーシストにキップ・ウィンガー(WINGER)という豪華な顔ぶれ。80年代アメリカンハードロックが好きな人にはグッとくるラインナップだ。キップがヴォーカルをとればまさにWINGERになりそうな、「PULL」的やや地味なサウンドに近い感じ。レブのオカズプレイが堪能できる#1はなかなかだが、全体を通してメリハリがなく、物足りなく感じてしまうのは惜しい。キップならよりアダルトな雰囲気になるかもしれないけど。(H)
MOONDOG / MOONDOG 【80点】
MORS PRINCIPIUM EST / INHUMANITY 【89点】
フィンランド産メロディック・デスメタルバンド、MORS PRINCIPIUM EST(覚えられない〜)は6人組で平均年齢23歳という期待のホープ。やや荒削りながらデビューアルバムらしからぬ豊富なアイデアとセンスに溢れており、既に飽和状態の北欧メロデスシーンにおいても楽曲パターンに予定調和の域を越えている点で、頭ひとつ抜きんでた実力を備えているといえよう。モダンな雰囲気を素地に、ツインギターを軸にして非常にテクニカルなフレーズを駆使しながらメロディックに、スピーディーに展開する楽曲におもわず身を乗り出してしまう。同郷のCHILDREN OF BODOMを彷彿させる部分も多いが、COBほどキーボードは目立っていない。特に#1「Another Creation」や#6「The Lust Called Knowledge」等の爆発力のあるリフやメロディにはかなり惹かれた。次作以降、もっと優れたプロダクションで、アイデアが枯れずに同等のクオリティのアルバムが作れたら、と思うと将来がとても楽しみ。(H)
MORS PRINCIPIUM EST / THE UNBORN 【88点】
かつて大量のバンドを産み落としていたメロディックデス市場も最近は大御所バンドが次々と路線変更していき影を潜めつつあるが、中堅クラスではメロディックデスメタルかくあるべし!を高いクオリティで実践しているバンドも少なからずいる。そのうちのひとつがこのモルス・プリンシピウム・エストだ。デビューアルバムの衝撃度は勝負作である2ndでも確実に受け継がれており、#1〜#3あたりの超ハイテンションな王道メロデスサウンドは聴く者全てにKOパンチを喰らわせるインパクト。プロダクションの弱さはほとんど改善されておらずギターのブ厚さに若干の不満はあるものの、これも北欧メロデスバンドの味と思えば全く気にならない。どこにも迎合していないピュアなメロディックデスを聴きたいならオススメです。(H)
MOTLEY CRUE / MOTLEY CRUE 【83点】
MOTLEY CRUE / GIRLS GIRLS GIRLS 【82点】
MOTLEY CRUE / DR.FEELGOOD 【89点】
MOTLEY CRUE / BEST 【86点】
MOTLEY CRUE / GREATEST VIDEO HITS (DVD) 【82点】
MOUNTAIN / CRIMING 【76点】
MR.BIG / LEAN INTO IT 【83点】
MR.BIG / RAW LIKE SUSHI II 【78点】
MR.BIG / BUMP AHEAD 【84点】
MR.BIG / RAW LIKE SUSHI III 【86点】
MR.BIG / HEY MAN 【79点】
MR.BIG / BIG BIGGER BIGGEST 【86点】
MR.BIG / ACTUAL SIZE 【82点】
リッチー・コッツェンがすっかりこのバンドにとけ込んだとの印象が強いアルバム。らしくないとも言えるキャッチーな#2「Wake Up」、#3「Shine」あたりはリッチーが見せた新たな側面ではあるが、他にこういうフックのある曲がないし、そういう意味でのリッチーの貢献は大きい。全体的には個々のソングライティングが全体のバランスの中でうまく機能して非常に魅力的な楽曲に彩られた良質アメリカンハードロックに仕上っていると思う。パット・トーピーが書いた#6「Suffocation」はエリックとリッチーが交互に歌うヘヴィでファンキーでブルージーな曲で、巧いヴォーカルが二人もいる贅沢さが身にしみてわかる。「Colorado Bulldog」のようなハイ・エナジー、ハイ・スピードの曲がすっかりなくなってしまったが、このような今のMR.BIGの魅力が詰まった曲は歓迎されてよいのでは。ジャック・ブレイズとエリックの共作#4「Arrow」やエリックが書いた「Nothing Like lt In The World」の両バラードもしみじみしていて良い。ただ、かつての「スーパーバンド」ってイメージはすっかりなくなった。(H)
MSG / THE MICHAEL SHENKER GROUP 【85点】
MSG / SAVE YOURSELF 【85点】
MSG / M.S.G 【81点】
アルバム「Save Yourself」で緊迫感のある楽曲を数多く提供したマイケル・シェンカーが、その時のヴォーカリストのロビン・マッコリーを従えての1991年発表のアルバム。「Save Yourself」の作品は完成度は高いものの、どうもロビン・マッコリーというヴォーカリストはマイケルの流麗なギターワークにマッチしているとは思えなかった。彼の声質はこのバンドの質をも落としている気がする。本作も#3#5#9#10あたりが水準以上の佳曲であるだろうが、特に美しいバラードでその声が雰囲気を壊している。また、リズム隊が不安定でHRとしてのダイナミズムがややぎくしゃく。ただ、決して悪いアルバムではない。(H)
MSG / WRITTEN IN THE SAND 【83点】
MY CHEMICAL ROMANCE / THE BLACK PALADE 【95点】
前作で爆発したMY CHEMICAL ROMANCEの新作。全編にわたる激情のエモーショナルワールドはそのままに、よりメロディックでキャッチーな曲が増えていてスケール感もかつてのアリーナロックを思わせる。オープニングイントロにつづく#2〜中盤までが特にすごい。#3「This is How I Disappear」と#4「The Sharpest Lives」に悶絶。Iron MaidenとかUKのバンドからも影響を受けている彼らのサウンドはジャンルを超えた音。エモはもちろん、ロック、メタルファンにも受け入れられるはず。古くて新しく、クールにはじけてる。モンスターアルバム的な風格が漂う一枚。これが売れなきゃ嘘だ。今年最大の衝撃作でした。(H)