Music Review : 2008年9月
ARCH ENEMY / RISE OF THE TYRANT 【95点】
スウェーデンのブルータルメタルの帝王・ARCH ENEMYの7thアルバムは、クリストファー・アモットの脱退〜復活という正念場を乗り切って、バンドとしての結束力が最高の形で表現された傑作。 ARCH ENEMYの真骨頂ともいえる空を切り裂くような重くて速くて鋭いリフに、官能的でメランコリックなギターが絡むキラーチューンが頭2曲でいきなり炸裂する。近未来的な#3「I Will Live Again」は新たな魅力だし、中盤以降もアイデア豊かなバリエーションを絶やさず、直球HM〜官能的なインスト〜ラストを飾る6分超の長編曲といった構成力も見事。ARCH ENEMYは常に一流の作品を提供しているとが、これほどまでの化学反応バチバチな作品は久々だ。あまりに美しい官能的なギターの調べに、自然と体がよじれてしまう…。
FAIR TO MIDLAND / FABLES FROM A MAYFLY: WHAT I TELL YOU THREE TIMES IS TRUE 【92点】
SYSTEM OF A DOWNのサージ・タンキアンが発掘したというバンド。ちょっとあやしげでコミカルなアートワーク。サウンドはずしりと重くて緻密、表現力豊かなヴォーカルはハイトーンを駆使してメロディアスなサビを歌い叫ぶ。ニューメタルなのかモダン・ヘヴィネスなのかヘヴィロックなのかジャンルはよくわからないが、知性的なサウンドはかなり好き。Disturbedの「Ten Thousand Fists」に出会ったときと同じような感覚。