Music Review : 2007年2月

ANCHANG / メンフィス 【77点】

バンドを解散し、アメリカでレコーディングしたANCHANGのソロアルバム。バンドの音とは違うのはいいとして、曲そのものがちょっとツライかな、というのが第一印象。へヴィメタルっぽさが希薄なのもあるかもしれないし、やっぱり個人的にはジャパニーズかヨーロピアン路線の曲が好きだからっていうのもあるかも。前回のソロツアーで披露していた#7「メンテナンス」は際立って良いです。ゴリゴリのへヴィメタルチューンでサビもバッチリ合唱モノ。

FALL OUT BOY / THIS AIN'T A SCENE, IT'S AN ARMS RACE 【86点】

米ミッドウェスト出身のロックバンド、FALL OUT BOYの2ndアルバム。ポップだしロックだし大衆性抜群なんだけど、かといって何かに迎合している風でもなく、ちゃんとオリジナリティを出していて十把一絡げの音とはまったく違う、一歩ぬきんでた貫禄があるなぁと思います。美しいメロディがじわじわっと効いてます。ダサい男たちのかっこいい音楽。今後のますますの加速に期待。

DAUGHTRY / DAUGHTRY 【89点】

米人気TV番組「アメリカン・アイドル」出身のアーティスト、クリス・ドートリー率いるバンドのデビュー作。その名の通り徹底したアイドルロック路線&売れ線直球満載の楽曲が詰まった作品だ。HOOBASTANKやMY CHEMICAL ROMANCEらを手がける大物プロデューサー、ハワード・ベンソンがプロデュースしたり、バックの演奏陣も豪華、ゲストにスラッシュや元EVANESCENSEのメンバーが参加したりと話題性も抜群。ドートリーの声は骨太でありながらも繊細なところもある器用で表現力豊か。NICKELBACKのチャド・クルーガーあたりを彷彿させる。曲によってはLIFEHOUSEっぽさもある。全曲にわたりフック満載のキャッチーな楽曲がずらりと並び、若干狙いすぎな感もなくはないが、圧倒的なクオリティの高さは他の追随を許さない完成度。もうちょっとロック寄りだと、HR/HMファンへのアピール度が増したけど。(H)

LORDI / ハードロック黙示録 【83点】

フィンランドのモンスターバンド・LORDIの記念すべき日本デビュー盤。なぜもっと日本市場に登場しなかったのか不思議でならない。キャッチーでノリのよい楽曲にローディのダミ声が炸裂する独特な世界は1stアルバムのころからなんらかわりない。見かけだけでなく、常に高品質なロックを届けてくれるのもこのバンドの大きな魅力である。このアルバムはヘルシンキでの10万人ライブや、ユーロビジョン・ソング・コンテストの舞台裏、そしてPVも3曲はいったDVDがついている。ハリウッドもびっくりの特殊コスチュームをまといながらの演奏は一見の価値あり。PVの力の入れ方もすごいし、この日本デビューを機にぜひ来日してほしいものです。