Music Review : 2006年6月

SEX MACHINEGUNS / A DAY IN THE LIVE [DVD] 【88点】

SEX MACHINEGUNSのアメリカでのレコーディング時に行ったナッシュビル・ライブを全て収録したライブDVD。収録曲は「食べたいなめたい危険地帯」、「Heavy Metal Thunder」、「暴走ロック」、「みどりのおばちゃん」、「出前道一直線」、「みかんのうた」、「桜島」、「German Power」。メンバーが必死に英語でMCを披露。おそらくマシンガンズのことを全く知らない会場の観客も曲が進むにつれ次第に盛り上がっていく。パフォーマンス、映像、音質とも申し分なし。ファン必携。(H)

FAIR WARNING / DON'T KEEP ME WAITING 【83点】

メロディアスハードの代名詞・FAIR WARNINGが6年振りに再結成。その復活第一弾マキシがこの「Don't Keep Me Waiting」だ。高らかに響くトミー・ハートのヴォーカル、飛翔するヘルゲ・エンゲルケのスカイギター、とことんエモーショナルなメロディと、どこをどう切ってもFAIR WARNING節全開で見事な再スタートって感じだ。タイトル曲はかの名曲「Burning Heart」を彷彿させます。メロディアスなミドルテンポナンバー#2、美しいバラード#3も非常によい感じ。(H)

DISTURBED / TEN THOUSAND FISTS (2005) 【90点】

シカゴ出身のヘヴィロックバンド、DISTURBEDの3rdアルバム。明らかにメタル系リスナーの知名度が低いと感じられるが、これは曲そのもののアプローチがまさしく王道ヘヴィメタル・ハードロックといっていいぐらい、普遍的な魅力を備えたサウンド。その普遍性は決して平均的という意味ではなく、細やかなアレンジセンスと曲づくりの巧さが光った実に味のある曲が詰まったアルバム。非常に聞きやすいメロディの中で、やはりヴォーカリストのデヴィッド・ドレイマンの力強く、男臭くも繊細なタッチの声が深みをさらに与えていく。聞いていて非常に心地よく、長く愛せるアルバムになると確信している。(H)

WIG WAM / HARD TO BE A ROCK'N ROLLER 【85点】

色気ゼロのグラムロック・コスチュームで自信たっぷりにポーズを決めるジャケットが恥ずかしいノルウェー出身のWIG WAMなるバンド。 ノルウェーでは知らない人はいないほど支持されているらしい。80年代のメインストリーム型メロディアスハードロックど真ん中のサウンドで、BON JOVI、WINGER、WARRENT、AEROSMITHあたりと対等に勝負できるキャッチーなメロディ満載の高品質な作品。ファッションセンスは最悪だけど音楽のセンスは素晴らしいものがある。特にギタリストはなんでもこなす器用さがあるようだ。めちゃくちゃベタな#1「In My Dreams」からしてノックアウトだ。日本盤デビューとともに、ひょっとしたら日本でもブームが起こるかも…しれない。特に30代で。(H)

DISARMONIA MUNDI / MIND TRICKS 【93点】

メタル不毛の地・イタリアが産んだ奇跡のエクストリーム・メタルバンド・DISARMONIA MUNDI(ディサルモニア・ムンディ)の2ndアルバム。メイン・ヴォーカルは前作同様SOILWORKのビヨーン・スピード・ストリッドで、デスヴォイスはもう一人クラウディオ・ラヴィナールが担当。それ以外の楽器パート全て&クリーンヴォーカルを担当する奇才、エットレ・リゴッティの全編に渡っての「エモ・エクストリーム」サウンドが全開。近未来的な味付けを施したデジタル風味はあくまでもオーセンティックなヘヴィメタルがベースになっており、劇的で激烈なサウンドをうまく引き立てている。そのバランス感覚とアレンジセンスはまさに天才的といっていいだろう。どの曲も破壊力抜群のHMリフ×メロディックなコーラスという方程式を徹底して貫いており、洗練された知的なメタルっていう感じが自分的にかなりポイントが高い。ネームバリューではIN FLAMESとSOILWORKがこの手のサウンドでは群を抜いているが、アルバムの完成度からしてこの2強に割って入るだけの魅力がある。あとはバンドとしてライブ活動ができればいいのだが…。(H)