Music Review : 2006年1月
THE MOB / THE MOB 【80点】
元WINGER〜WHITESNAKEのギタリスト、レブ・ビーチ率いるニューバンド。Drにケリー・ケイギー(NIGHT RANGER)、Voにダグ・ピニック(KING'S X)、Keyにティモシー・ドゥルーリー(WHITESNAKE、ex-EAGLES)そしてプロデューサー&ベーシストにキップ・ウィンガー(WINGER)という豪華な顔ぶれ。80年代アメリカンハードロックが好きな人にはグッとくるラインナップだ。キップがヴォーカルをとればまさにWINGERになりそうな、「PULL」的やや地味なサウンドに近い感じ。レブのオカズプレイが堪能できる#1はなかなかだが、全体を通してメリハリがなく、物足りなく感じてしまうのは惜しい。キップならよりアダルトな雰囲気になるかもしれないけど。(H)
IN FLAMES / COME CLARITY 【98点】
常に意欲的な作品を作りつづけ、決して現状に留まらず進化を繰り返す北欧エクストリームメタルの帝王・IN FLAMESの通算8作目。前作・前々作で積み上げてきたモダンな作風に、「Colony」や「Clayman」時代の直球メロディックデスメタルをうまくブレンドしたことにより、よりIN FLAMESらしく・より世界のマーケットに、というベクトルを提示した作品だ。そういった路線であれば前2作で控えめだったメロディアスなツインギターのハーモニーの量が増えるのも当然で、スピード感あふれるメロデスの畳かけを聴いて、IN FLAMESはやっぱこれだよな、と思うファンは多いだろう。特に中盤から終盤にかけての展開は凄まじい(同じテンションの曲が続くためやや単調に感じるところだけ若干惜しいなと感じるが、それぞれの曲のクオリティは異常に高い)。個人的には、前2作で切り開いた新境地のミドルテンポの麻薬的名曲「Reroute to Remain」、「Cloud Connected」、「The Quiet Place」、「My Sweet Shadow」系の曲が1曲でもガツンと入ってきていたら文句なしにIN FLAMES過去最高!と叫んでいただろう。強烈なブルタリティと印象的なサビを持つ新たな名曲#1「Take This Life」、SOLIWORK系のモダン・エクストリーム系の#2「Leeches」、絶頂感満載の疾走リフと女性ヴォーカルをフィーチュアした、アルバムの中でも一際目立つ#4「Dead End」、アンダース・フリーデンの魂の歌声と噎び泣くギターソロが絶品な名バラード#6「Come Clarity」等等等、またもや彼らの代表曲になりそうなチューンもたっぷり。個人的には「Reroute〜」と肩を並べるかどうか、というところ。先頃リリースされたライブDVDを見て興奮したファンは世界中にいるだろうし、積極的なライブ活動で北米進出も著しいIN FLAMES、いよいよ今年こそ大ブレイクか!?(H)