Music Review : 2005年10月

HELLOWEEN / KEEPER OF THE SEVEN KEYS - THE LEGACY 【--点】

AFTER FOREVER / REMAGINE 【--点】

CHARON / SONG FOR THE SINNER 【91点】

なぜ日本でリリースされないのか不思議でならないバンドの筆頭にあげたい、フィンランドのゴシックメタルバンドCHARONの5th(と思ったらどうやら2006年3月に日本盤がリリースらしい!)。前作でこのバンドの素晴らしさに心を奪われたが、本作ではさらにメジャー感が増して貫禄たっぷりの仕上がり。いきなり女性Voをフィーチュアしたイントロではじまるオープニング#1「Colder(1stシングル)」からしてバンドとしての新たなチャレンジ精神を感じることができ、J.P(Vo)の、特に低音の響きが男クサい唯一無二の色気ヴォイスが炸裂。その妖艶さは曲をおうごとにCHARONワールドに誘ってくれる。#2「Deep Water」、#7「Ride On Tears」といったスピード感ある曲は少な目だが確実によいアクセントになっており、基本的にミドルテンポの楽曲で構成していくのもバンドの実力と貫禄を表してるといえそう。極めつけは静かにはじまり起伏に富んだドラマティックなアレンジで展開していく#「House Of The Silent」。曲のラストはエモーショナルなギターソロで締めくくる。ゆっくり感動的にフェードアウトしていく余韻がたまらない。(H)

LULLACRY / VOL.4 【84点】

フィンランドのノリノリゴシックメタルバンドLULLACRYの4作目。ほのかなゴシック風味は全体にまんべんなく散らしながらも、ポップさ、ヘヴィさもバランスよく取り入れ、Tanja嬢のキュート&セクシーなクサメロVoをフィーチュアしたサウンドはありそうでなかなかないスタイルで完全にこのバンドのカラーとなっている。ハイテンションで疾走しまくる特に前半#1〜#4あたりの流れが心地よい。一瞬にして自分の世界に引き込むことのできるバンドであり、もっと評価されてよいバンドだと思う。(H)

NICKELBACK / ALL THE RIGHT REASONS 【87点】

「THE LONG ROAD」以来2年振りとなる、カナダ出身の超ゴリゴリ骨太ロックバンド・NICKELBACKの新作。スケールのデカさは相変わらずで、チャド・クルーガーのパワフルな声はいつ聞いても気持ちがよい。ハードなロックチューンは自分にはカラっとしすぎてそれほど好きになれないのはいつものことだけれど、NICKELBACK流パワーバラード#3「Photograph」、#5「Savin' Me」、#6「Far Away」、#9「If Everyone Cared」はいずれも胸を打つ素晴らしい曲。サビでのグッとくるメロディは甘く切ない。QUEENのカバー「We Will Rock You」も見事。初回限定版はDVD付き。過去の名曲、新作から#3「Photograph」のPV入り。(H)