Music Review : 2005年4月
STARBREAKER / STARBREAKER 【86点】
TNTのトニー・ハーネル、LAST TRIBEのマグナス・カールソンらによるニュー・プロジェクト。北欧メタルのイメージの強いトニー・ハーネルがマグナスの書く正統派ヨーロピアン・メタルの楽曲に乗る構図が非常に新鮮に映る。どの曲もよく練られたメロディックかつテクニカルなHMで、トニーのハイトーン・ヴォーカルは空気に緊張感を与え当たり前のように自分のカラーで彩っている。浮き足立つことなく、強い個性をつぶさずに新しい世界を作り出しているあたり、彼らの力量が確かなものであると実感させられる。#1「Die For You」、#2「Lies」あたりの強烈なサビのフックは一撃で引き込まれる力強さがある。是非このメンバーで活動を続けて欲しいものだ。(H)
GALNERYUS / ADVANCE TO THE FALL 【87点】
若き天才ギタリスト・Syu率いるジャパニーズHMバンドの2nd。全曲英詞。イントロと荘厳なピアノの旋律と流麗な速弾きギターソロではじまる#2「Silent Revelation」を聴けばこのバンドの素晴らしさが全てわかるだろう。日本人好みのクサいメロディが、スピードとパワーを兼ね備えて洪水のように押し寄せるという決まり文句がドンピシャで当てはまるメロディック・スピード・パワーメタルだ。非常にテクニカルな中でも、サビではしっかりと印象に残る歌メロがのるあたり、個人的には海外の同系統のバンドより印象が良い。時に女性的な繊細さも覗かせるヴォーカルもよい味だ。バンドの主役、Syuのネオクラシカルなギタープレイは全編通して聞き所。インプロヴィゼーションも多数あるとか。(H)
DARE / THE POWER OF NATURE [CD] 【88点】
「DEEP IMPACT 2004」でのライブの模様を収録した、バンド自身初のライブ盤。「Blood From Stone」を除く全てのアルバムからまんべんなく(といっても全11曲だが)選曲されている。DAREの特徴でもあるアコースティックギターとエレキギターがさりげなく活躍するなかにダーレンの囁くようなウィスパーヴォイスが空気を優しく包み込んでおり、DAREというバンドのアイデンティティを彼らのプレイから十分すぎるほど感じ取ることができる素晴らしい内容だ。ミュージシャンとして、余裕を持って高いパフォーマンスを見せることができるバンドであることを再認識させられた。(H)
DARE / THE POWER OF NATURE [DVD] 【70点】
「DEEP IMPACT 2004」でのライブ映像がDVD化。DAREの映像ソフトとしては初めての作品だ。ライブからの曲が11曲で、その他インタビューと「Deliverance」のPVがついている。うごいているDAREのメンバーをまじまじと観られるというだけで感激だし、ライブそのものの出来も非常に素晴らしいのだが、ライブDVDとしては正直言って粗悪品。ステージ上のダーレン・ワートンは意図的に映さないで、かわりに別撮りしたダーレンをアップにして2つの映像をクロスさせる構図で最後までそれが続く。萎える。固定カメラで垂れ流しの映像のほうがよっぽどマシ。音のレビューは同時リリースのCDのほうを参照あれ。(H)