Music Review : 2004年12月

THE 69 EYES / DEVILS 【86点】

GOTH 'N' ROLLの旗手THE 69 EYESの6thアルバム。「Blandon Lee」とか収録してた「BRESSED BE」以来触れていなかったが、ユルキィの妖艶ヴォイスでひたすらメランコリックに歌うヘヴィロックはここにきて最高のパフォーマンスに達したと言える完成度。以前みたいに前半良くて後半尻窄みといった弱点は克服。全体的にトーン低めなんで、見た目に比べるとおとなしく感じるかもしれないし正直なところもっとノリが欲しいと思ったりもするのだが、北欧の冷たさ加減は充満しているし、この唯一無二の官能世界には素直に感服。(H)

BON JOVI / 100,000,000 BON JOVI FANS CAN'T BE WRONG 【85点】

20周年を記念して発売されたCD5枚+DVD1枚のグレイテスト未発表曲コレクション。ファン向けのアイテムかなと思ったが侮ってはいけなかった。主に「KEEP THE FAITH」以降の曲が多く、個人的にはその時代が好きなので好みの曲もかなり多い。「THE RADIO SAVED MY LIFE TONOGHT」、「EDGE OF A BROKEN HEART」あたりは普通にシングルカットしたらかなり売れそうだ。「Always」のデモも非常に興味深い。それからデビュー時代に書かれた「We Rule The Night」や「Borderline」もかなり良い出来だ。リッチー、ティコ、デヴィッドがそれぞれリードヴォーカルを取る曲もあって非常に楽しめる内容。

CHARON / THE DYING DAYLIGHT 【92点】

フィンランド産ゴシックメタルバンドCHARONの4作目。Finnishメランコリック系直系の音でミドルテンポ主体のメロディックロックに、お約束の男のお色気Voをフィーチュアしたサウンド。SENTENCED、HIM、ENTWINE、TO/DIE/FOR、FOR MY PAIN等々この系統のバンドは枚挙にいとまがないが、その中でもフィーリング的に一番好きな音だ。ドライブのかかりの強いリフにひっぱられ、フック満載のコーラスで撃沈。強烈な泣きがあるわけではないが、タメの効いたヴォーカルや女性ヴォーカルの使い方などものすごく練られていて、引っかかりどころが多く聴いていて飽きがこない。「If」のギターソロなどは非常にシンプルながらも響きまくり。デジパックにしか収録されていない「Re-collected」は、個人的にはTO/DIE/FORの「Hollow Heart」以来の傑作。SENTENCEDをはじめとする同ジャンルが日本でもかなり人気を博していながら、なぜかこのバンドは日本でのリリースがない。まったくもって不思議である。(H)