Music Review : 2004年11月
LAST AUTUMNS DREAM / II 【79点】
北欧の貴公子ミカエル・アーランドソン(Vo)と元FAIR WARNINGのギタリスト、アンディ・マレツェクが組んだプロジェクトの2nd。リズム隊はEUROPE組からTALISMANのマルセル・ヤコブとジェイミー・ボーガーにチェンジしている。メンツはスゴイと思いながらも元々ミカエルとアンディの組み合わせにすら微妙な違和感を感じていた自分にとって、この作品を聴いてみるとさらに違和感が強くなってしまったかな、という印象。「メタル」なプレイスタイルのイメージが強いマルセルとジェイミーを加えながらも、実際音がすごく軽かったりする。特にセルフカバーの「Heat Of Emotion」なんかを聴くと顕著だし、前作になかったやや疾走している曲も加えたりするので尚更そう思うのだろう。いい意味でも悪い意味でも非常に優等生的な仕上がりで、決して悪いとは思わないが好きにもなれそうにないアルバム。(H)
HIBRIA / DEFYING THE RULES 【90点】
ブラジルから突如現れた新星HYBRIAのデビューアルバム。思いっきり垢抜けないジャケットとメンバーの佇まいはともかく、このバンドが生み出す音楽は正真正銘のヘヴィ・メタルだと断言できるだろう。そこにはLOST HORIZON?インペリテリ?RIOT?IRON MAIDEN?と歴戦のヘヴィメタル・ウォーリアーを想像させるエッセンスに満ちあふれている。元LOST HOLIZONのダニエル・ハイメン並の強力ヴォーカリストを擁し、メンバーは全員テクニカル。音質は若干薄いもののそれ故に生身の熱さのようなエネルギーを強く感じる。疾走!疾走!疾走!の洪水に飲み込まれ、聴き終えるころにはメタルの血が循環しまくって疲労困憊(?)。デビュー作の衝撃としてはかなりのもの。次作も超期待!(H)
SEX MACHINEGUNS / 出前道一直線 【90点】
第4期SEX MACHINEGUNS第1弾シングルは「届けます、あなたの心に、ヘヴィメタル」の帯タタキと「さりげなく技巧派」のキャッチフレーズがまさにぴったりなスピード感とキャッチーなメロディとテクニカルな各パートのプレイに彩られた正真正銘のヘヴィメタル・チューン。イントロから悶絶のツインリードで驀進し、SYPANと新加入KENJIRAWのダイナミック且つ確実なボトムは屈強だ。歌詞にももちろん彼らならではのユーモアと哀愁が込められている。#2「Hold On To The Fire」は80年代テイストをふんだんに盛り込んだ王道のHMチューン、#3「Bargain Sale」はSYPAN作のリズムがライブ向きの曲だ。いずれもHMの醍醐味を存分に伝え、原点回帰を感じさせる内容。総てのファンが新しいマシンガンズの門出を熱い拍手で迎えること間違いなしだ。フルアルバムに期待が高まる!(H)