Music Review : 2004年07月
ACCEPTANCE / BLACK LINES TO BATTLEFIELDS 【80点】
NIGHTWISH / ANGEL FALL FIRST [Re-issue] 【78点】
NIGHTWISH / ONCE 【91点】
フィンランドの英雄、NIGHTWISHの5th。これまで以上にフィーチュア度が増したオーケストラ・サウンドの中、メタル感たっぷりのヘヴィネス(ここがこのバンドの好きなところ)と華麗に舞うターヤのソプラノヴォイスの貫禄は相変わらず素晴らしい。前作よりこのバンドのひとつの柱となったマルコ・ヒエタラとの掛け合いもすっかり定着し、#2「Wish I Had An Angel」、#4「Planet Hell」のような“美女と野獣”的コントラストには思わずガッツポーズ。大曲「Creek Mary's Blood」や「Ghost Love Score」もまさに映画音楽のような壮大なスケール感だ。個人的には、ターヤにはもっと張りのあるオペラ風の力強い歌をもっと取り入れてほしかったのと、1stシングルとなった#3「Nemo」みたいな曲は他の同郷バンドが皆やってるような曲なんであえてやらなくてもなとも思った(いい曲だけど)。メジャーな音にはなっているけれど、初期のころのクサ味が、ちょっと懐かしく思える。(H)
DISARMONIA MUNDI / FRAGMENTS OF D-GENERATION 【92点】
イタリアとデスメタルは全く直結しないが、そんな国から恐るべしアルバムが誕生した。このDISARMONIA MUNDIなる難解な名を持つバンドは、リーダーのEttore Eigottiがサウンドのほとんど全てをつくりあげ、プレイしている。それを補う形で他のメンバーが参加し、完成させたアルバムのようだ。スクリーム・ヴォーカルを担当しているのはあのSOILWORKのフロントマン、ビヨーン・スピード・スピリット。SOILWORKのファンだったというEttore Eigottiがビヨーンを呼んだことから察するとおり、この作品はまさしく「SOILWORK」系のサウンド。伝統的であり、モダンであり、近未来的でもある贅沢な作品で、ひょっとしたらSOILWORKを上回るのではないかと思わせるレベルの高さだ。疾走あり、ノリあり、効果的なシンセ起用等々、節々に感じる緻密なこだわりが最後まで寸断なく続いている。DARK TRANQUILLITYにも通じる鬱蒼としたムード漂う#10「Colors Of A New Era」のラストに向かってドラマティックに盛り上がるパートなどは特にお気に入り。(H)
CORNERSTONE / ONCE UPON A YESTERDAYS 【70点】
元ROYAL HUNTのベーシスト、スティーン・モーゲンセンと元RICHIE BLACKMORE'S RAINBOWのヴォーカリスト、ドゥギー・ホワイトのプロジェクトの第3弾。当初の頃にくらべて随分とハードさが前面に出てきており、雰囲気もRAINBOWを彷彿させるサウンド。前作から参加しているギタリスト、カスパー・ダムガードのタッチも正統派HR色を決定づける要素であることは間違いない。個人的な好みとしては英国風の煮えきらなさがでていた初期のほうが好きだったし、古典的70年代ハードロックが強調されたメロディは少々退屈だった。(H)