のだめカンタービレ最終楽章 前編
年末年始休暇の初日は、朝一でのだめカンタービレ最終楽章 前編を鑑賞。ネタばれになるのでもちろん何もいいませんが、笑って泣けるよい映画でした。スクリーンだとオーケストラの音楽が迫力あって素晴らしいです。終盤の展開は後編どうなっちゃうんだろうという期待と不安を煽ります。
後編は4月ということで、楽しみ。
スラムドッグ$ミリオネア
なんといっても、インドの色彩がいいです。
なぜ、スラムで育った教養のない青年が次々とクイズに答えられるのか、主人公・ジャマールが過去をなぞっていく展開をずっとドキドキしながら観てました。格差社会や幼児虐待など目を覆いたくなるような現実があって、その中をすりぬけ、生き抜くスリル感。インドの実情と底知れぬエネルギーを伝えてくれます。
エンターテイメントの全部の要素をうまく取り込んだ、スマートでかっこいい映画。インド・ムンバイの映画産業のことを総称して「ボリウッド」というそうですが、この映画もボリウッドが協力して作られたそうです。新しい映画を観た、そんな気分です。
ROOKIES -卒業-
朝イチの上映目指したら映画館の開館前に着いてしまった。一足先に近所の小学生も並んでいました。
ROOKIESは青春群像劇の真骨頂。もともとスポ根好きなので、クサくて、笑えて、ベタに泣かせるのは大好き。たとえお決まりのストーリーであっても、感動の本質的な部分を素直に感じ取れればよいのです。楽しかったです。
御子柴の存在が抜群だなぁ…。
ダージリン急行
絶交状態にあった3兄弟が、長男フランシスの呼びかけでインド北西部を走るダージリン急行に乗り合わせて旅をし、絆を深めていく。くすっと笑ってしまうセンスの良いユーモアたっぷりのロードムービー。3人の個性的なキャラクターは兄弟としてみるとあまりにでこぼこだけど、キャスティングの妙が冴えわたってます。
時に真剣なテーマもブレンドしていて、さっきまで笑ってみてたのに急に真剣になっちゃったり、そうかと思うとまた緩くなったり。その空気感がスーッと入ってきて心地よい。至る所に、あ〜、なるほどね!というアイデアがちりばめられています。劇的な展開など全くないのに、なんでしょうねこの心地よさは。
インドの風景が素晴らしく、土着的な薫りやカラフルな演出の背景には美術・小道具などのとてもつもないこだわりがあります(特典映像も見いってしまった)。脳裏にしっかり残る印象的なシーンが多かった。
今まで感じたことのない雰囲気を持った映画でした。とても気に入りました。
ヴェニスの商人
シェークスピアの代表作。喜劇作品ですが、ユダヤ人がいわれなき迫害を受け、その無慈悲に対するすさまじき怒りの感情が圧倒的で、僕には悲劇にうつった(シェークスピアは当時のユダヤ人差別を批判したという見方もあるそうです)。それもユダヤ人金貸し・シャイロック役のアル・パチーノの演技が際立って素晴らしいからだろうなぁ。
出てくる登場人物がそれぞれとても魅力的。人間や社会や宗教の表裏を鋭く描写するストーリー展開には、シェークスピアという人が凄い作家であることが理解できたし、衣装やセットもよかった。いい映画でした。
ホテル・ルワンダ
「ホテル・ルワンダ」(テリー・ジョージ監督)フツ族とツチ族の民族闘争が耐えない中部アフリカの小国ルワンダ。1994年の「ルワンダ紛争」で、フツ族過激派はツチ族の大虐殺をはじめる(100日の間に約100万人のツチ族と穏健派のフツ族が殺害されたらしい)。ホテルの支配人を勤める主人公・ポール(フツ族)は、妻タチアナがツチ族であることから家族だけでも救おうと考えるが、集まってくる難民をみているうちに心が変わり、支配人として築き上げてきたコネクションをフルに使い、財を投げとあらゆる手を使って難民をホテルに匿って、1200人以上の命を救った…という実話に基づいた映画。
アフリカは先進国からの関心が薄い、と言われますが、まさにそんな感じ。資源のない小国の内紛からは撤退する。あとは見て見ぬふり。何も知らない自分を恥じるような、国際情勢のリアリティがあって、ショックです。
CHEチェ 39歳 別れの手紙
日曜日とファーストデー(毎月1日)割引が重なって、朝9時の長野グランドシネマズのチケット売り場は長い行列に。ほとんどが20世紀少年とマンマ・ミーアのお客さんのようで、「CHEチェ 39歳 別れの手紙」はわずかに15人ぐらいの観客でした。
前日に「チェ・ゲバラ伝」をようやく読了したところなので、とても悲しい気持ちの中、その伝記の内容を映像にクロスしていくような感覚で2時間半を過ごし、チェの壮絶な死を迎えました。前回同様、過度の演出はなく、淡々と映像が流れていきます。そこがまた、この映画のよいところでしょう。
キューバ革命を経て大きな名声を手に入れながら再び革命の地に飛び込んだ稀有の革命家。その崇高で純粋なロマンティシズムに心打たれます。
この映画でも感じたラテンアメリカのこと、それから最近関心の高い中東問題などでもそうですが、それぞれの立場で物事を見てとらえるということが大切だと強く思いました。
「CHEチェ 28歳の革命」のエントリーでも少し触れましたが、この映画を見る前に予習しておくのをお勧めします。「CHEチェ 28歳の革命」はバックグラウンドをよく知らないまま観たのですが、そのあと「チェ・ゲバラ伝」を熟読して理解が深まりました。キューバをはじめラテン・アメリカ諸国の歴史、フィデル・カストロあたりは押さえておくとよいと思います!
モーターサイクル・ダイアリーズ
「モーターサイクル・ダイアリーズ」(ウォルター・サレス監督)
映画「CHEチェ 28歳の革命」を見てから、チェ・ゲバラの生涯を「チェ・ゲバラ伝(三好徹著)」などで追っています。彼の歴史とラテン・アメリカの歴史を学ばない以上、映画も理解できそうにないので。しかも第二弾「39歳 別れの手紙」は今週末に公開されるので、かなり急ぎ足でページをめくっているところ。国の名前と位置がなかなか一致しない…。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」は、医学生時代チェ・ゲバラが、友人アルベルトと1台のバイクで南米を縦断した日々をつづるというストーリー。この旅を通じて、ラテン・アメリカの現状を目の当たりにし、革命家チェ・ゲバラの土台が築きあげられていくのがなんとなく伝わってきます。出会う人々と心を通わせる姿に心打たれます。
知れば知るほど興味がわいてきます。
CHEチェ 28歳の革命
今日公開の「CHEチェ 28歳の革命」観てきました。キューバという国やカストロ、ゲバラについて全く身近には感じないし、関心も薄かったのですが。予告編を見て急に興味がわきました。
こういう映画って、どのぐらい集客するんだろうと思ったけど、初日の初回からガラガラでしたけど…。
なぜ、ゲバラが20世紀最大のカリスマと呼ばれるのか、この映画を見て納得。思想やゲリラという手法等については勉強不足なんで是非論は置いといて、「革命家」という威圧的・制圧的なイメージには程遠い思慮深い佇まいや勤勉さ、戦死者・負傷者・民間人への配慮、規律を重んじる統率力、いずれもゲバラという人間が周囲から尊敬され、革命のアイコンたらしめる強い吸引力を感じることができます。弱い人間の立場で物事を見、愛情にあふれ、真っすぐで、見ていて素直に“かっこいい!”と思えました。
映画そのものも、余分に脚色することなく、わりと淡々と進んでいきます。NYの演説シーンが多く差し込まれているせいか、ドキュメンタリー風にも見えます。ゲバラそっくりに見えてしまうベニチオ・デル・トロの演技は本当に素晴らしいです。
まぁ、予告編で感じるようなエキサイティングな内容を期待すると肩透かしになると思います(実は開始10分で眠気が襲いました)。エンターテイメントで観る感じではないですし、それからある程度の予習は必要かもしれません。
もうちょっと勉強して、続編となる「39歳 別れの手紙」も観たいと思いました。