桜桃の味

cover「桜桃の味(1997年イラン/アッバス・キアロスタミ監督)」
自殺を決心した中年男が、ジグザグの埃舞う山道を車を運転しながら自殺を手助けをしてくれる人を探す。自ら掘った穴に入り死を遂げたあと、その穴を土で埋めてくれるように頼むわけだ。当然、誰もが不気味に思い拒否する。若いクルド人兵士も、アフガンの神学生も車を降りてしまう。そうやって物語は淡々と進む。しかし、その依頼を引き受ける老人が現れた。老人は、自らの自殺未遂体験を話し、死ではなく生について静かに語りかける。手助けをしてくれる老人の出現により自らの「死」への道が開かれたのに、老人は「生」について説く。中年男の心は…。というようなストーリー。あまりに淡々としているので退屈な人は寝てしまうかもしれないw。この監督らしい独特の手法の作品だなぁと思うし、哲学的(決して難解ではない)で玄人受けしそうな作品だとは思う。正直、見終わったあと「あぁん!?」という微妙な感想を持ったのですが、妙に印象が深いというか、「桑の実や桜桃が美味しい、だから生きている」とか「あの美しい夕焼けを、もう一度見たくはないのか」というようなメッセージは心に残っています。この映画を絶賛する人は非常に多いようですが、こうやってあらすじをつづっていくうちに、なんとなくその気持ちがわかってきたような気がしました。
1997年カンヌ映画祭パルムドール受賞。

[ MOVIE ] Posted by hara at 2004年07月18日 09:06
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桜桃の味
桜桃の味 空がまばゆく、風に花が揺れ、それを美しく感じる。自分が生きている理由なんてそれだけでいい。世界がキラキラと輝いて見える時間。生きている歓びを味わえたなら、その感覚を忘れずにいたい。もし、愛する人を失って、僕が何もかもを.
Weblog: weblogooglamazonet | Tracked: 2005年04月25日 21:07


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