BON JOVI in 東京ドーム
「LIVE IN LONDON」のビデオで見た何倍もの興奮がそこに待っていた。「Livin' On A Prayer」から「You Give Love A Bad Name」へと流れるその瞬間は、予想通り全身に鳥肌が立った。この2曲の流れが100%わかってるのにそれだけ身震いするなんて、これぞ構成の予定調和の美しさ。誰もがそう思ったに違いない。
次がニューシングルの「It's My Life」。出し惜しみなんてしない。ある意味ここがクライマックスだった。冒頭3曲はドームが揺れるほどの大合唱で、BON JOVIのライブが全身で楽しめる楽曲に満ちていることを再確認することができた。
バックスクリーンに用意されたメインステージ。1塁側1階席にいた僕らからはかなり遠い位置だったが、両サイドに用意されたスクリーンで彼らの表情が手に取るようにわかる。ニューアルバムからはその他に「Say It Isn't So」、「Just Older」、「Next 100 Years」そしてアンコールでの「Mystery Train」。「Save The World」や「Thank You」をやらなかったのは非常に残念。 「Keep The Faith」は当然として、「Bed Of Roses」や「I'll Sleep When I'm Dead」など、名盤「KEEP THE FAITH」からの選曲が意外にも多く、それゆえに嬉しさもたくさんこみ上げた。
当然のように「Lay Your Hands On Me」、「Bad Medicine」での一体感は筆舌に尽くしがたいほど。特に「Bad Medicine」は一番盛り上がったのではないだろうか。一度のブレイク後にまた始まる流れが堪らない。
ジョンの歌ははっきり言ってウマいとはいえないし、音がうるさすぎてリッチーの刻むフレーズなんてこれっぽっちも聴こえなかったのは大きなマイナスで、確かにドームのスケールには圧倒されたし、思いっきり楽しめたけど、質としては納得いくものではなかった。しかし、そういったマイナス面を補って余りあるメンバーのパフォーマンスが脳裏に焼き付いている。誰よりも一番楽しんでいたであろうジョンの姿は、やっぱりスターダムにのしあがって、栄光と挫折を味わった一人の人間としての貫禄があった。あのスケールの大きさはおそらく今まで会ったどの人よりも凄かった。
僕らがこのライブを体感するのは遅すぎた。世界中で、いったいどれだけの人が同じ興奮を味わったかと思うと、なんだか悔しくて仕方がない。7月12日はホットな一日だった!