TEN in クラブチッタ川崎

 およそ最前列から5列目。今にもステージに手が届きそうなベスト・ポジションからメンバーの登場を待つ。「The Robe」のイントロから曲に流れる瞬間にライトが激しく点灯し、いよいよショウの始まり!
 それまでリリースされた3枚の優れたメロディック・ロックの数々を惜しげもなく披露。ライブ受けする曲が多く、観客のノリもよく、ほとんどの曲で大合唱が起こる。バンドの演奏もCDをそのまま再現したような緻密な音で、ライブ経験の薄さをそれほど感じることはなかった。ゲイリー・ヒューズの声の艶は生でも本当に煌めきがあり、低音の深みのある安定した声量と、伸びのあるヴィブラートには鳥肌が立つ。ギターを高い位置でコンパクトに持つヴィニーは、そのスタイルからは想像できないほどの美しいメロディが発せられ、すごいのはちゃんと観客を煽り、笑顔をふりまきながら弾きまくっているところだった。ギターソロもまさに完璧。TENというバンドが人気だけでなく、実力も一流であることが身に染みた。
 中盤で早くも名曲中の名曲「After The Love Hase Gone」がプレイされる。あらゆる曲の中で最高のリフとギターハーモニーをもつこの曲のイントロが流れた瞬間、会場はまさにパニック状態であった。同じく人気ナンバーの「Stay With Me」も最もコーラス映えのする曲で、ライブには欠かせない選択であった。
 そして圧巻はファーストアルバムのラストを飾る感動の大作バラード「The Loneliest Place In The World」。ヴィニーのギターアレンジが秀逸で、キーを一つあげる瞬間は体に鳥肌が立った。その勢いはエンディングまでかけめぐるギターソロの間、衰えることはなかった。
 代表曲「The Name Of The Rose」、「Wait For You」などでのアンサンブルも文句なし。これだけ優れた楽曲を優れた演奏で表現できるミュージシャンがいることはスゴイことだ。最初から最後まで名曲のオンパレード。コート着たままで聴いてたので汗びっしょりになったけど、こんなに楽しいライブは初めてだった。TENはやっぱり最高。
 その後発売されたライブアルバムでは、なんとブックレットの裏にメンバーと観客が映る写真の中に、僕が!二重の喜びでした。

[ LIVE , MUSIC ] Posted by hara at 1997年12月20日 23:09
コメント

トラックバック
トラックバックURL : http://www.hardrocktaxi.com/mt/mt-tb.cgi/2


コメントする









入力した情報を登録しますか?